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2025年のベスト本10冊

2025年のベスト本10冊
鳴山シンゴ
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早いもので2025年も終わりですね。

今年は85冊の本を読むことができました!
昨年の104冊よりは少ないですが、読書は「読んだ本の数が多い方がすごい」ということはありませんからね。素晴らしい本をいかに楽しむかが大切です!

さて、2025年のベスト本10冊をまとめてみました!
どれもこれも名作ですので10冊に絞るのも苦労しましたが、ぜひ気に入ったものがあれば読んでみてください。

シンゴ
シンゴ

ネタバレはありませんので安心してお読みください!

2025年上期のベスト本10冊は以下記事にまとめています。

あわせて読みたい
2025年上半期のベスト10冊
2025年上半期のベスト10冊
2025年のベスト本10冊(読了順)

①同志少女よ、敵を撃て/逢坂冬馬
②アルプス席の母/早見和真
③ゴリラ裁判の日/須藤古都離
④十角館の殺人/綾辻行人
⑤誰が勇者を殺したか 勇者の章/駄犬
⑥蜜蜂と遠雷/恩田陸
⑦イクサガミ シリーズ/今村翔吾
⑧生殖記/朝井リョウ
⑨硝子の塔の殺人/知念実希人
⑩成瀬は都を駆け抜ける/宮島未奈

同志少女よ、敵を撃て/逢坂冬馬/早川書房

第11回アガサ・クリスティー賞受賞作。
1月に読んだのですが、いきなりの名作でした

普段、戦争系の小説はあまり手に取らないのですが、X(旧Twitter)で読了記録をよく見かけるので読んでみました。

結論、すごい小説を読みました。これがデビュー作というから衝撃です。
この本を書くためにどれほどの勉強と下調べをしたのかと思うと気が遠くなりますね・・・

時は第二次世界大戦真っ最中のソヴィエト連邦。
農村に暮らし、外交官を夢見る聡明な少女:セラフィマは、ドイツ軍によって村を焼かれ、ただ一人生き残ってしまいます。

そこへ現れたソ連赤軍の女性兵士:イリーナによりセラフィマは救われるのですが、セラフィマは他の少女たちと共に女性狙撃兵になるための訓練兵となります。

セラフィマは、自身の母親を殺した敵の狙撃兵、そして村人たちを侮辱したイリーナを殺すため、狙撃兵として戦うことを決意し、成長していくという物語です。

この作品が発行されたのは2021年11月。
その数か月後の2022年2月に、ロシアによるウクライナ侵攻が始まります。
第二次世界大戦終了後は永遠に続くと思われたロシアとウクライナの深い友情。
それが瓦解した世界情勢もあって、発行当時に本作品はより一層注目されたのではと考えます。

狙撃兵となるための訓練兵時代は、狙撃兵に必要な知識やスキルに加え、狙撃兵として持つべきマインド等が非常に丁寧に描写されており、とても面白かったです。

狙撃兵は敵を撃つだけでなく、戦況を鷹の目のように見ることがとても重要な役割であることについて具体的なシーンともに描写をされていましたし、歩兵と狙撃兵が相いれない理由についても、とても分かりやすくて腹落ちしました。

また、セラフィマ達が実戦に駆り出されてからはとにかく辛い描写の連続でした。
戦闘で壊されていく街と殺されていく市民や仲間。そんな戦地で無邪気に遊ぶ子供たち。
生き残る度に高まる練度と、戦争が終わった後には必要のないスキルや麻痺する感情。

戦争の悲哀、永遠ではない平和、戦争の中の女性、あり得た別の未来。戦後を生きなければならない兵士たち。
彼はサッカー選手だったかもしれないし、彼女は外交官だったかもしれない。

動機を正当化して戦争を始め、行動をまた正当化する。
誰も彼もが「自分の行いは正しいものだ」と自分で自分を麻痺させる。

最も印象に残ったのは、ネジ職人の話です。
ただ、彼/彼女は人よりネジを作るのが、銃を撃つのが上手だっただけ。
それだけで持ち上げられ、尊敬される。
彼ら/彼女らは、自身と家族の平和しか望んでいないのに、世間が、仲間がそれを許してくれない。だから彼らはその役割を全うしなければならない。

「敵」とは誰か。
戦争の相手国か、親を侮辱した仲間か、女性を虐げる男性か、はたまた戦争を指示している母国の長か。主人公だけでない、女性狙撃兵たちが自身の「敵」を撃つために戦う。

ぜひ一度読んでみてほしいです。

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アルプス席の母/早見和真/小学館

2025年本屋大賞 第2位の作品。

本当は女の子のお母さんになりたかった

アルプス席の母/早見和真/小学館

↑こんな一文からはじまる、野球少年を息子に持つシングルマザーが主人公のお話。

まず表紙がいいですね。
阪神甲子園球場の一塁側アルプス席から、保護者お揃いのピンクのチームTシャツを着てチームと我が子のプレイを祈るように観る母親。

この物語は、高校球児を息子に持つ母親という珍しい設定の小説です。

主人公:菜々子は旦那を失くし、女手一つで息子の航太郎を育てます。
彼女は野球に全く興味はないけれど、息子にはとても素晴らしい野球の才能があって、中学まで大活躍。

関東に暮らすこの親子は、大阪の高校への進学を決めます。
そんな高校での野球部の生活、そして保護者会の規則等、日本の少年~高校までの野球の異常性をこれでもかと具体的に言語化されています。

監督は絶対的な存在であること、寄付という名の監督への金銭的な支援、選手の学年で決まる保護者の上下関係、等々。例を挙げるとキリがありません。

また、関東人の菜々子にとっては、「半歩近い」関西の距離感もストレスに感じてしまいます。

シンゴ
シンゴ

この「半歩近い」がしっくりきすぎて、僕も関西人の特徴を人に説明するときによく使っています。

前半は、そんな日本の野球教育の異常性やうまくいかない状況といった、じめじめしたストーリーで、この先どうなるのかな?ととても不安になりながら読みました。特に、バッドエンドのような導入部も相まって、読み進めるのが辛かったです。
※その導入部分を先に読んでいるからこそ、最高に面白いのですけどね!

でも後半からは前半のじめじめした展開とは対照的に、尻上がりに面白くなっていきます。かみ合っていく歯車と爽快な展開は、どんどん「先を読みたい!結末はどうなるんだ!」という気持ちにさせてくれます。ぜひ後半まで読んでください。絶対に面白いから!

子を持つ親だけじゃなく、野球が好きな人もそうでない人も、部活を頑張っていた人もそうでない人も、いろんな人におススメできる作品です。

僕は野球経験者ではありませんが、高校野球もプロ野球も大好きですし、体育会系の部活に所属していました。しかも子を持つ親でもありますので、とても感情移入して読むことができました。

男の子のお母さんで良かったね!

アルプス席の母/早見和真/小学館

冒頭の一文からの上のこのセリフ。物語を読んでいると、ジーンとくるものがあります。

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ゴリラ裁判の日/須藤古都離/講談社

本作はフィクションなのですが、もしこんなゴリラがいたら我々はどう対応すればよいのか。社会はこのままでよいのか。これはゴリラだけの問題であるのか・・・
そんな色んな問題提起を孕んだ小説でした。

手話を操り言語を理解するゴリラのローズは、動物園で柵から落ちてしまった人間の子どもに近づいた夫ゴリラが銃殺された件について、動物園を相手に訴訟を起こします。

ゴリラは人間の子ども程度の知能を持ち、手話を理解するという実際のケースも聞いたことがありますが、本作品のように完全に人間と同程度の知能があるのでしょうか?真実はゴリラにしかわかりません。

もしゴリラがそんな知能を本当に持っていたとしたら、これまでの「人間」と「動物」の線引きが根本から覆されてしまうような、そんな衝撃的な内容でした。

本作の主人公であるゴリラのローズはジャングルに生まれますが、ゴリラの研究者の近くで研究されながら生活することで、手話を覚えます。

彼女は人間の話す言語を理解し、手話で自身の意思を完璧に伝え、TVを観て楽しみ、おしゃれなゴリラサイズの服を着て、人間の友達もいます。
自分の手話を読み取って音声に変換してくれる特別なグローブを使うようになってからは、完全に人間とコミュニケーションが可能な状態となります。

人間と同程度の知能を持つが故に、大好きなジャングルの生活に違和感や自然の掟へのやりきれない感覚を持つようになります。

一方で、人間社会では彼女は唯一の「人語を理解する動物」として奇異の目で見られます。

彼女はゴリラだけど普通のゴリラでない。
人の言葉を理解し、手話で話せるけど、人間じゃない。
人間も動物も一緒。わかり合える人もいればそうじゃない人もいる。

どこから、何ができれば人間なのか。
言葉を理解するのが人間なのか、なら言葉を理解しない人間は人間じゃないのか。
言葉を理解する動物は人間ではないのか。

人間とは、動物とは何か。

私はゴリラではない。私は人間でもない。ゴリラと人間の合間で彷徨う何かだ。

ゴリラ裁判の日/須藤古都離/講談社
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十角館の殺人/綾辻行人/講談社

よくX(旧Twitter)でも見かける作品。
「クローズドサークルものの傑作」とか、「衝撃の展開」などのコメントはよく見ていましたが、「どんなもんじゃい」と思って読み始めました。
結果、あの一行で衝撃を受けました。すみませんでした。

孤島にある「十角館」に集められたミステリー好きの大学生たち。
彼らにはアガサやヴァン、エラリイなど、実在するミステリーの巨匠たちの名前がニックネームとして付けられ、本人たちもそれで呼び合っています。

(いつも思うんですけど、みんななんでこんな辺鄙な場所にいくんでしょうね。まあ、意図しない場合もありますが。)

クローズドサークルものの宿命というか様式美というか、脱出手段のない孤島で、徐々に殺されていくメンバーたち。皆疑心暗鬼になりながらも真相へ近づいていき、そして・・・

本作はクローズドサークルミステリー小説の名作「そして誰もいなくなった/アガサ・クリスティー/クリスティー文庫」へのリスペクトが最大限に感じられながらも、新たな切り口でその連続殺人を実現しています。

物語は孤島と本土が同じ時系列で、章毎に交互にシーンを変えながら進みます。
島では恐ろしい連続殺人が起こる一方、本土では奇妙な手紙の真相を探る調査が進みます。
そして徐々に情報が集まり、真相が判明します。

情報が集まり真相に近づきつつも、結局犯人は誰なんだろうとモヤモヤしてページをめくると、あの1行。

「なんだと、そんな馬鹿な。」とリアルに声が出ました。それまでのミスリードも巧みでまったく予想していませんでした・・そこからの種明かしパートはまさに一気読みでした。

比較的ページ数も多いですが、ダレることなく最後まで読めましたし、なにより犯人の手口がわかってからは再読したい気持ちにかられました。
これは名作といわれるのも納得。

2024年3月にhuluで実写化されたらしいですが、こんなのどうやって実写化したんだ・・・
実写版も観てみたい!!

huluは以下バナーから登録できますよ!

ちなみに、綾辻氏の「館」シリーズは他にも以下の作品があります。

「水車館の殺人」
「迷路館の殺人」
「人形館の殺人」
「時計館の殺人」
「黒猫館の殺人」
「暗黒館の殺人」
「びっくり館の殺人」
「奇面館の殺人」

そして、現在館シリーズの最終巻である「双子館の殺人」が連載中です。

誰が勇者を殺したか 勇者の章/駄犬/KADOKAWA

大好きな「誰が勇者を殺したか」シリーズの3作目です。ライトノベルなのにこんなにも読書好きに読まれている小説はあるのでしょうか。

いわゆる日本のRPG(JRPG)好きは読んで後悔はない作品。というかRPG好きは絶対読んでほしいです!

今回は「勇者の章」です。
まだまだ旅を始めたばかりの勇者アレス一行。
魔物や魔人に苦戦したりパーティ間の連携もうまくいっていなかったり。

そんなアレス達は、旅先で訪れたリュドニア国で、リュドニアの勇者:カルロス王子と出会います。カルロス王子は魔王を倒す旅へ出ることを諦め、自国リュドニアを守る「勇者」として戦います。

そんな中、リュドニア国内の「内通者」を探すため、アレスはカルロス王子と共に行動することに。アレスはカルロス王子から「勇者」たるもののあるべき姿を学びます。

序盤でカルロス王子の妹であるエレナ姫から「リュドニアの王子が殺された」という情報が出ますので、カルロス王子がいかに戦い死んでいったのか。という真相を探るのが本作の主な目的となります。

3作目にして初めて、勇者アレスのパーティが旅をし、戦う描写が詳細に書かれている気がします。
リュドニアの勇者:カルロス王子にスポットライトを当てていますが、しっかりとアレスが勇者として成長しパーティのリーダーとなっていく様子もわかるので、まさに本作は「勇者の章」なのでしょうね。

預言者に選ばれし勇者の陰には、勇者を立てるものもいれば妬むものもいるのが世の常。

本作では、「勇者」とは何かを様々な角度で教えてくれます。
勇者とは、強い精神力と勇気を持ち、味方を鼓舞し、癒し、自らも戦う。

勇者パーティのソロン、レオン、マリアがアレスによって変わり、泥臭く洗練されていくのもまたいいですね。
例えば、自らの剣技を誇るように派手な戦い方をしていたレオンが、敵を倒し自らを守る効率的な剣技へとシフトしていく様子なんかは、熟練の戦士へと成長する過程を見ているようで、読んでいてとても楽しかったです。

それまであまり有能でなかったように思えたカルロス王子の父も、実はとても深く現実的に考えていたことがわかるシーンがとても気にいっています。
この作品はとにかくメインキャラクター以外もしっかりと作り込みがされています。
自分がこれまでやってきたRPGの登場人物たちも、表に出てこなかった思いや葛藤なんかもあったんだろうなと想像してしまいますね。

そして、3作目となってもタイトルに沿ったストーリーにしているのはさすがの一言。
3作とも面白さの順位が付けられないですね。

どの作品もいろんな「勇者」が存在することを僕たちに伝えてくれます。

今回も、「誰が勇者を殺したか」

1作目の「誰が勇者を殺したか/駄犬/KADOKAWA」、2作目の「誰が勇者を殺したか 預言の章/駄犬/KADOKAWA」を未読の方はまずはそれを読みましょう。面白いから!

蜜蜂と遠雷/恩田陸/幻冬舎

2017年本屋大賞受賞作。
単行本で出版され、その後文庫本で上下巻に分かれて出版されました。
実写映画化や漫画化などのメディア展開もされています。

本作はピアノコンクールのお話です。
僕はこれまで楽器とは全く縁がなく、もちろんピアノも全く弾けません。ギリギリ弾けるのはカエルの歌くらいです。でも本作には惹き込まれました。

文庫版では上下巻に分かれるくらい分厚めの本ですが、わかりやすい表現と短いセンテンスのおかげで、ページ数の割にはサクサク読めます。

本作を読むと、僕らが知らないピアニストのリアルについて少し理解することできます。
チープな感想ですが「ピアニストって大変なんだな」と思わせてくれます。

幼い頃からひたすら練習し、楽譜を覚え、体にピアノを染み込ませる。コンクールに出るため曲を選び、覚えて、練習して、洗練させる。一定以上の技術があるのは大前提。

長いものだと一曲30分以上。作曲者の意図や時代背景を理解しつつ、個性を出しながらも、審査員好みになるように演奏する。そんな中、「天才」は軽々と何段も飛ばして凡人の上を行く。

どの業界もそうですが、天才や神童っているんだなと思わせてくれます。そんな天才たちが集まって勝ち残る人を決めるのがコンクール。

前半ではサブリミナル的にしか出てこない「蜜蜂王子」こと風間塵。実際に演奏を始めると、彼の演奏は圧倒的かつ悪魔的。

でもコンクールの優勝者が誰になるかはわからない。結末を知りたくて、最後まで急いで読んでしまいます。

そしてもう一つ。課題曲「春と修羅」のカデンツァ(自由に即興的に演奏するパート)をそれぞれのピアニストがどう弾くかを見たいという思いが更にページを進ませます。

ピアニストの演奏をこうも具体的かつ鮮やかに言語化できるのって、やっぱりプロの作家ってすごいなぁと思います。しかも全員の演奏が違うことがわかります。

作中でスポットライトが当てられている人は、観客から見るとどのピアニストもとても素晴らしい演奏を軽々しているように見える。
でもそんな彼ら彼女らの緊張や葛藤を知っている読者は、登場人物たちと秘密を共有しているようでかすかな優越感を得ることができますね。

30歳を過ぎたおじさんの僕としては、(彼も彼で天才なんだけど相対的に)凡人に近い明石が好きだしどうしても感情移入してしまいます。明石の回想で、ピアノが弾けるようになる過程を主観的に語っているのがすごい共感できました。

亜夜が、明石が、コンクールを通じて洗練されモチベーションを上げていくのが面白い。

またコンクールに出てくるピアニストだけじゃなく、審査員、調律師、観客、応援する周囲の人、そのどれもに焦点を当てている作品だから必ずどこかに共感できる場所があります。

誰がコンクールを制したのかは、ご自身で確かめてみてください。

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本作を読んだらスピンオフである「祝祭と予感/恩田陸/幻冬舎」もぜひ読んでみてください!

「蜜蜂と遠雷」に繋がる話と、その後の話が短編としてまとめられています。
「蜜蜂と遠雷」を読んだことがある方はどの話もとても楽しく読めると思います。

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イクサガミ シリーズ/今村翔吾/講談社

10冊と書いておきながらシリーズものの本を入れるのはいかがなものかとも思いますが、許してください!

イクサガミの4作は一気に続けて読了しました!いやー面白かった!!
X(旧Twitter)の読了ポストで大変よく見かけたこの「イクサガミ」シリーズ。
普段は手に取らない日本の時代ものですが、あまりに話題なこと、最初の2巻である「イクサガミ 天」と「イクサガミ 地」がkindle Unlimitedで読み放題対象だったので読んでみることにしました。

kindle Unlimitedへの登録は本記事の最下段付近にありますので、そちらを確認してみてください!

「イクサガミ」はNetflix(ネットフリックス)で2025年11月に実写ドラマ化されました。岡田准一さんが主演、プロデューサー、アクションプランナーを務めるとのこと。すごすぎる・・・

シンゴ
シンゴ

シリーズものはネタバレを回避する関係上、後ろの巻に行くほど感想が書けないのが辛いところです。

ということで、気に入った部分を断片的に書いています!

1)イクサガミ 天

本作の舞台は明治初期の日本。
幕末の動乱をくぐり抜けた強者たちが集められ、大金を目指すため「蠱毒(コドク)」というデスゲームに参加します。

主人公:嵯峨愁二郎は、一度は剣を置いたものの、コレラに苦しむため妻子たちのために賞金の獲得を目指します。
そんな中、12歳の双葉という少女もこの「蠱毒」に参加しており、成り行きで愁二郎は双葉と共に賞金を目指すこととなります。

旅の始まりは京都。互いが身に着けた「札」を文字通り奪い合い、目的地である東京を目指します。
設定自体はよくあるデスゲーム。大金を目指し、達人同士が生き残るために戦うというもの。でも読んでみるとそんな単純な言葉で片付けることはできず、滅茶苦茶面白いです!

なんと言っても登場人物が魅力的!それぞれもちろん達人級に強い。だけど、強くなった背景や大金が必要な理由が、ストーリー中のちょうどいいタイミングでそれぞれ明らかになり、気が付くと応援してしまう。

蠱毒の参加者も様々。元武士、警察官、兵士、忍者、アイヌの狩人、異国人、女性等々。誰が味方で誰が敵か。
自身の信念とその状況での利害関係で敵味方は変わるし、誰が生き残り誰が脱落するのかも全く先が読めません。

時代ものなんですけど、しっかりと友情、絆、成長等があり、また必殺技のような奥義があることも、良い意味で少年漫画のようでとても読みやすいです。

ストーリーのテンポが良いことと、いつ戦闘が始まるか分からないハラハラドキドキ感もありページをどんどんめくってしまいます。

そして、どの巻も最後のシーンはいいところで終わるんですよね。。
「天」の最後はなかなか衝撃でした。

消える前に最後の光芒を放てと、武神が命じているかのように。

イクサガミ 天/今村翔吾/講談社
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2)イクサガミ 地

この「地」が第2巻です。

主人公:愁二郎は刀を置いて久しいのですが、しっかり強いです。
他の作品でもそうですが、登場人物がその強さを評価しているのが個人的にすごい好きな展開です。

札の争奪戦のため、参加者たちは戦いどんどん命を落としてしまいます。
そんな中、参加者中で最も弱い双葉の存在が、蠱毒の鍵となるかもしれない。

段々と愁二郎の元に仲間が集い。登場人物のスケールも大きくなってきます。
そして、蟲毒を始めた黒幕も登場します。

「蠱毒」はまだ半ば。

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3)イクサガミ 人

Kindle Unlimitedで読み放題対象だったのは「天」と「地」までだったので、「地」を読了後すぐさまこの「人」を購入。

「人」では東京ももう間近、グルグルと味方と敵が変わり、一刻の油断も許せない状況。

「蠱毒」初期段階では参加者同士がひしめき合いたびたび遭遇するので、必要な札を集めつついかに回避するかが肝でした。ところが、後半になるにつれ参加者の数も減り、また達人級ばかりとなります。
いかに参加者と邂逅し、無事に札を獲得するか・・・

個人的には、凡人の進次郎を応援しちゃいますね。

義兄弟の絆、愛する人たち、散っていった参加者達。
「蠱毒」の行方は決戦の地、東京へ。

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4)イクサガミ 神

ついに最終巻です。
もはや何を書いてもネタバレなのでほぼ何も書けません。「面白かった」というだけです。

決戦の地、東京で散っていく「蠱毒」の関係者達。
そしてその想いを託された者達。切ないですね・・・

タイトル、これまでの伏線、各自の目的と矜持。そんなすべてを回収する最終巻。
旅の終わりは果たしてどうなり、誰が大金を手にし、どのように使うのか。
「イクサガミ」とは何なのか。

ぜひ読んでみてください。

まだまだ続く明治。良き旅を…

イクサガミ 神/今村翔吾/講談社
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生殖記/朝井リョウ/小学館

Kindle Unlimitedで読み放題対象になっていた本。

タイトルと表紙から勝手に「固そうだな」とか「暗そうだな」とか思っていましたが、全然そんなことはありませんでした。

正確には、内容はいたって真面目でどちらかというと固めで暗めであることは間違いないのだけど、面白おかしく小説として成立させていることが秀逸です。

この作品はヤバいです。2025年の個人的ベスト小説かもしれません。万人の好みにあうかどうかはわかりませんが。

シンゴ
シンゴ

僕は本作で完全に朝井リョウさんのファンになりました。
そして最近よんだエッセイ「時をかけるゆとり/朝井リョウ/文藝春秋」も最高でした!

一座上げた視点から俯瞰的に観測される「人間の営み」。小説の殻を被った問題提起なのか?とにかく衝撃作です。

本作の語り主の正体が判明するまでの流れも秀逸です。
冒頭で、語り主は神のように生物を超越した視座を持つものによる観察記録なのだろうか。と恐る恐る読んでいると「お前かよ」となります。

本当にこの作者は作品のジャンルの振れ幅がすごいですし、なぜこうも腹落ちすることを言語化できるのでしょうか。

似たようなジャンルを扱い、かつおふざけ感がない同著者の「正欲/朝井リョウ/新潮社」も名作です。ぜひ読んでみてください。

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本作は、生物に備わっている「生殖器」が自身のついている宿主、すなわち人間を観察している記録です。だからタイトルは「生殖記」。わかりやすいですね。

語り手がついている人間のオス個体が、本作の主人公である尚成です。
尚成は性的マイノリティである同性愛者です。本来の役割を果たせない個体である尚成に宿ってしまった「生殖器」。
尚成は同性愛者であるがゆえに、幼少期から家族や学校という共同社会から疎外されてしまいます。

なぜ同性愛者が悪とみなされ共同社会から追放されるのか、その理由がロジカルに説明されていて腹落ちしました。というか本作は腹落ちしすぎるポイントが多すぎて、勝手に「腹落ち小説」と名付けたいです。

その共同社会からの追放を回避し、かつ人間の資本主義の世界で生き延びるため。そして人間たちの監視の目から逃れるために、尚成は擬態します。

拡大、成長や次世代への継承なんてどうでもいい。でもそれを目指さないと人間の世では生活できない。なので尚成は「手は添えて、だけど力を込めず」のスタンスを取ります。
体育の授業で大きくて重いマットを運ぶ時のように、みんなで力を合わせ運ぶんだけど、力を入れすぎない。大きな流れとしては成長や目標に向かって足並みはそろえるのだけど、決して力はいれない。

これって誰しも経験があると思うのです。

僕がシゴデキ営業マンのように見せかけて、本当は会社の発展なんか気にしてないし自分が昇進しても年収なんてたかが知れてるけど、はみ出さないように営業マンごっこしているだけ。というスタンスを実は誰かに気づかれているような。はっとさせられました。

本作は生殖器が語り手で同性愛者が主人公のお話なので、どうしてもセクシャルで次世代への種の保存、というようなテーマが扱われています。

が、共同体から迫害される人が発生する過程だったり、人間社会が資本主義になって生き残るために必要な条件であったり、「手は添えて、だけど力を込めず」を貫く手法であったり、人間が「理由もなく強い気持ち」を抱くようになるメカニズムであったり。

もう僕らがこれまで考えたことも逆に考える必要もなかったことも、わかりやすい文体でグサグサと僕らの心にぶっ刺さってきます。

そんな同性愛者で生産性も成長性も望んでおらず、ただ寿命が終わるまでの時間をどう過ごすかについて追われている尚成にとっての「幸福」とは。その幸福にたどり着くまでの過程と導き出した答えがめちゃくちゃ面白かったです。

この作品が気に入った方は、「コンビニ人間/村田沙耶香/文藝春秋」や、「地球星人/村田沙耶香/新潮社」もオススメです。
どちらの作品も衝撃を受けるというか、普通って何?と僕たちに問いかけてくれます。

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読む人を選ぶと思いますが、本作は僕には超刺さる衝撃作でした。
とても感想を書ききれませんので、このあたりで終わっておきます。

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硝子の塔の殺人/知念実希人/実業之日本社

Xでもよく読了記録を見かけた本作。2025年10月に文庫版が発売されました。

「最高到達点!!」とか「これを超える作が現れることはないだろう」とか、帯に大層なコメントがついていたので、かなり期待して読みました。
読了してみるとその期待を軽々超えてきましたね。すごいものを読みました。

もう仕掛け自体がネタバレになるので、ほぼ内容に触れられないのが悔しいところです。

内容自体はもちろん、著者のミステリー愛を存分に感じることができる作品です。
作中にこれまでの名作ミステリーや巨匠がこれでもかと登場し、ミステリー小説の様々なパターンや定番ネタなんかも至るところで言及されます。「ミステリー論」と言っても過言でない内容も多くあります。

さて、本作の舞台は山奥に建てられた円錐状の『硝子の塔』。
大富豪である家主:神津島太郎によって建てられたこの硝子の塔は、神津島が発見したバイオ細胞を忠実に再現した形状をしており、各部屋は螺旋状に配置されています。

硝子の塔は表紙に書かれていますし、作中に内部構造や配置図が示された絵がありますのでビジュアルがイメージしやすいですね。

神津島は大のミステリー愛好家とも知られ、その財で集めたミステリーコレクションを塔の最上階で展示しています。

そんな硝子の塔に招待されたのは、医師、刑事、ミステリー小説家、編集者、名探偵、霊能力者といった個性的な面々。あとは執事とメイドと、料理人がいます。
正体客たちは神津島のとある発表のために招待されたのですが、その発表の直前で神津島は殺されてしまいます。

本作は、主人公である医師:遊馬が殺人犯として特定され、他のメンバーと隔離されているシーンから始まります。

クローズドサークルミステリーものなのにプロローグで犯人が捕まっているのがミステリー初心者の僕には斬新でした。そして犯人目線の物語であることも斬新でした。

上にも書いた通り犯人は遊馬です。医師という立場を悪用し神津島に毒を飲ませ殺してしまいます。でもそんな遊馬には同情すべき理由があり、殺人犯だけど僕たち読者は遊馬を応援してしまいます。

一見、登場人物視点で見ると、神津島を殺めた犯人の断定が困難、そもそも自殺か他殺かもわからない状況であることに加え、クローズドサークルミステリー小説もののお約束の通り、徐々に被害者が増えていってしまいます。

そんな中、招待されていた名探偵:碧月夜(あおいつきよ)の天才的な推理により真相がだんだん明らかにされていきます。

殺人への焦り、追い詰められるまでの動揺、そして自分が理解できない不可解な状況でどのように立ち回るか、と難しい状況に置かれた遊馬。

犯人である遊馬視点での語りだからこそ、何とか整合性があるように辻褄を合わせたり、自分が犯人と疑われないように行動したりといった場合の心理描写も見えますし、証拠となりうるものや事実が見つかった場合や追い詰められそうなシーンの焦りを、読者も臨場感を持って疑似体験することができます。

人を殺めてしまった遊馬はどうなるのか?逃げ切れることができるのか。
それとも名探偵が全てを暴くのか。結末はいかに。

…と読んでいると、それをあざ笑うかのようにすべてがひっくり返されました。見事と言う他なし!ただ、何も言えません。まっさらな状態で楽しんでほしいです。

たしかにヒントは作中に全て示されていました。
真相の真相がわかると、「なんだよ・・・・こりゃ・・・・」というセリフに感じた違和感は間違いではなかったんだな、と少し嬉しくなりました。

ミステリー小説好きは絶対に楽しめる本作。ぜひひっくり返される体験をしてみてはいかがでしょうか。

成瀬は都を駆け抜ける/宮島未奈/新潮社

皆さん大好き「成瀬あかり」シリーズ。
「令和で一番売れた小説」という煽り文句は伊達じゃありません。

2025年12月1日に発売されたばかりですので、これを機にまだ成瀬あかりに出会っていない人は読んでみてはいかがでしょうか?

令和に颯爽と現れ、多くの読者の心を鷲掴みにした「成瀬あかり」シリーズ。
とてもとても残念なのですが、この3作目で完結となります。

本作は、タイトルの通り主人公:成瀬あかりが京都の町を駆け抜けます。
「駆け回る」ではなく、「駆け抜ける」となっているのが、疾走感があり常に成長を続ける成瀬あかりにピッタリのタイトルですね。

京都大学の1回生となった成瀬あかり。その京都大学の入学式から本作は始まります。
びわ湖大津観光大使も務めながら勉学に励み、バイトにも励み、毎朝のトレーニングも欠かさず、簿記も受験し、手話も始め、なぜか麻雀も始めた成瀬あかり。
京都大学進学をきっかけに、京都のガイドブックに書かれたスポット巡りも始めます。

どうやらこの夏は簿記に捧げるようで、以下フレーズも成瀬ファンならにやりとしてしまいますね。

田中、わたしはこの夏を簿記に捧げようと思う

成瀬は都を駆け抜ける/宮島未奈/新潮社

本作には森見登美彦作品が出てきたり、京都の地名が至るところに出てきたりと京都愛にあふれています。作者である宮島先生も京都大学の卒業生とのことで、納得ですね。
(それにしても京都大学卒の小説家さんは本当に多いですね)

この3作目を読むということは、一作目の「成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈/新潮社」と2作目の「成瀬は信じた道をいく/宮島未奈/新潮社」もすでに読了していることでしょうから、成瀬あかりの魅力は僕のこの拙い紹介文を読むまでもなく皆さんご存じだと思います。

今回も成瀬は自分が信じた道をいくために京都を駆け抜けます。
そんな成瀬と関わる人たちは、最初は成瀬を敬遠したり近づきがたく感じたりしてしまうんですが、だんだんと成瀬に惹きつけられてしまうというのが良いですね。

同じ京都大学1回生の坪井さくらやyoutuberの「ぼきののか」が、徐々に成瀬に心を開きお互いに信頼する様子を見るのも楽しいですし、前作から登場した、成瀬と同じくびわ湖大津観光大使の篠原かれんとも良好な関係を築けていそうで読者も読んでいて嬉しくなってしまいます。

また成瀬も大学生となり、相変わらず自分の道を突き進むのは変わりないのですが、気の利いた返事ができるようになったり感情が少しだけ豊かになったりと、成瀬自身の成長を見られるのも、まるで保護者になったかのような気分にさせてくれます。

まさにそんな保護者目線の「そういう子なので」という話も収載されています。
タイトルの通り、あかりの母親目線で進むお話です。これまで成瀬シリーズを読んできた方には成瀬あかりは「そういう子」ということはもう十分に分かっているので、説明するまでもありません。

でも成瀬あかりが生まれてから大学生になるまでの成長を親目線で振り返ることができるこのお話は、特に子を持つ親ならジーンとくること間違いありません。僕もこのお話が大好きです。

これまで成瀬あかりと関わった人たちが勢ぞろいする大団円。いい終わり方でした!
いろんな人物が出てきたけど、やっぱり成瀬の横に一番しっくりくるのは島崎ですね。成瀬が島崎を信頼しているのがまたよきです。

「成瀬あかり」シリーズは終わってしまったけど。この先いつかどこかで会えるのを楽しみにしています!

「わたしは大きなことを百個言って、ひとつ叶えばいいと思っているんだ」

「みんなは『極める』という到達点に注目するのだが、わたしはそこに至る道が重要だと思っている。ゴールにたどり着かなくても、歩いた経験は無駄じゃない」

成瀬は都を駆け抜ける/宮島未奈/新潮社
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1作目、2作目を未読の方はぜひ先にそちらを読んでください!

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以上、2025年のベスト本10冊でした。
2026年も素晴らしい本にたくさん出合えますように!

おわり

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鳴山シンゴ
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