学び・仕事
PR

化学メーカー営業職の仕事内容を紹介します!

化学メーカー営業職の仕事内容を紹介します!
鳴山シンゴ
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

化学メーカーへの就職を考えている人って多いのではないでしょうか。
一般的に化学メーカーはホワイトと言われる一方、就職難易度は高いとも言われますよね。

僕は大学の文系学部(法学)を卒業後、新卒で最終製品メーカーに就職、その後現職の中間化学メーカーへ転職し勤務しています。
前職も現職も東証プライム上場企業であり、10年以上営業職に就いています!

ちなみに、これまでの法人向けのルート営業を経て、現在は開発推進部署へ所属し主に新規製品立ち上げのための開発営業を担当しています。(文系なのに・・)

そんな僕の経験をもとに、化学メーカーの営業職はどんな業務をしているのかを記事にまとめてみました。

いつもは趣味などをだらだらと書いていますが、本記事は化学メーカーに興味がある人に向け、まじめに書いてみました。
文字が多いですが、参考になる記事だと信じていますので、ぜひ興味のある方は読んでみてください!就活中の大学生の方などにもおススメです!

この記事はこんな人におススメ

・化学メーカーって何しているの?と純粋に興味がある人
・化学メーカーへの就職、転職を考えている人
・化学メーカーに勤務しており、営業職への異動を検討している人
・化学メーカーと取引のある企業に勤務している人

シンゴ
シンゴ

本記事は主に現在勤めている中間化学メーカーの営業職の業務についてまとめています。正直、この記事に書ききれないほど幅広い業務があり、全部紹介しきれません!ご了承ください!

そもそも「化学メーカー」とは?

「化学メーカー」と言われてもピンとこない人もいると思います。
それもそのはず。正直僕たち化学メーカーに勤めている社員も、どこからどこまでが化学メーカーで、自分がどのあたりに属しているかを説明するのは難しいです。

「化学メーカー」とは、その名の通り「化学技術で作られたものを製造販売するメーカー」のことで、ざっくりいうと以下のように分類できると思います。

上に書いてあるのがサプライチェーンでいう上流で、下に行くほど下流となり消費者に近くなります。

◆原料メーカー
石油やガス、植物油脂など、大元の原料を採取したり、精製したりする企業です。

◆基礎化学品メーカー
エチレン、アンモニア、苛性ソーダなど、さまざまな製品の元となる基礎化学品を製造する企業です。

◆中間化学品メーカー
合成ゴムや合成樹脂、界面活性剤や医薬中間体など、最終製品の原料となる化学品を製造する企業です。今回主に紹介するのはここで、現在僕が勤務しているのもこのグループです。

◆最終化学品・消費材メーカー
タイヤや塗料、医薬品などの最終的な化学品や、殺虫剤や化粧品などの消費材を製造する企業です。僕が新卒で入社した企業(前職)はこのグループに属しますね。

シンゴ
シンゴ

現職の中間化学品メーカーと最終化学品メーカーの営業職の業務内容はびっくりするほど違います!

化学メーカーの営業職の業務

では本題である仕事内容について紹介します。

上にも書いた通り、業務内容は膨大かつ幅広いためすべてを紹介しきれませんが、「こんな仕事しているんだなー」とイメージを掴んでいただければありがたいです!

①社外向けの仕事

まずは社外向けの仕事を紹介します。

1)会う人

営業職なので社外の方とお会いする機会は大変多いです。
具体的には、以下のような方とお会いする機会があります。

◆納入先(顧客)
自社製品の納入先である顧客とは頻繁に会うことになります。
お会いする方の所属は、価格や納期等の窓口である調達/購買や、技術課題や開発案件について協議する研究/開発が大半です。
後は監査や品質的な案件である品証の方にも会いますし、場合により製造や営業の方にお会いすることもあります。

◆商社/代理店/自社の販売会社
顧客とは直接取引のケースもありますが、化学系の商社が間に入ることがほとんどです。
特に海外顧客向け輸出案件はほぼ確実に商社が入ります。顧客との間に入る商社は1社の場合もあれば3社くらいはさむこともあります。
商社/代理店/自社の販売会社等との打ち合わせの機会は、顧客とするより多いです!


ここまで書いたように、納入先と商社関連とお会いすることが圧倒的に多いです。
が、以下のような方々とも会う機会はあります。

◆研究機関/大学教授/コンサルタント会社/市場調査企業 など
新規開発案件や共同検討などをする場合や、自社の知見ではわからない/検討に時間がかかるような案件がある場合、お金を掛けて市場調査をしたい場合などには、外部の方にお話しを聞きにいったり、市場調査を頼んだり自社へのアドバイスを受けたりするために話す機会はあります。

◆原料メーカー(仕入れ先)
自社製品を製造するための原料は、サプライチェーンの上流である原料メーカーから購入します。例えばタイヤメーカーであれば原料であるゴムを買う必要がありますね。

原料メーカーの方とは基本的に自社の購買や研究、品証担当者が会うことが多いですので、営業担当が原料メーカーの方と会う機会は顧客と会う機会ほど多くありません。
しかし、新規製品開発のためや、その他技術面/供給面等で会う機会もあります。

お会いするのは、営業や研究の方が多いです。もちろん原料メーカーとの間に商社が入っている場合はその担当者とも会います。

◆外注先
自社で対応できない工程や、他社で実施した方が効率的な作業などがある場合は、外注先へ製造委託等をする場合が多いです。
例として原料樹脂の着色や粉砕、配合液の調製等などの他、特許調査などもあります。

2)既存顧客向けルート営業

化学メーカーの営業職は担当顧客を持ちます。
担当顧客は製品毎だったエリア毎だったりしますが、基本的にはBtoBのルート営業です。
というわけで、営業職の仕事は自分の担当顧客に向けた以下のような対応が主となります。

◆予算立案・達成に向けたアクション
いわゆる世間がイメージしている「ノルマ」ほどきつくはありませんが、営業職ですので年度毎の売上/利益の予算があります。

予算通りに製品を購入してくれるかという需要(フォーキャスト)の確認、売上UPや利益確保などのための価格改定交渉、などがあります。
また、次年度予算や中長期計画の策定のため、次年度以降の需要や業界動向の確認なども必要となります。

◆問い合わせ/トラブル対応
毎日本当に多くの問い合わせを受けます。
もちろん対応するのは窓口である営業担当者です。

規制適合や含有物質調査(これがめちゃくちゃ多いです・・・)、技術資料やSDS(安全データシート)の提供依頼、見積依頼、製品スペックの確認、輸出のための該非判定依頼やHSコードの問い合わせなどなど・・・。問い合わせだけでも書ききれないほどあります。

加えて、物流トラブルや品質トラブルなどもしょっちゅうあります。
業者が製品を落として破袋した、製品に異物が入っていた・・・etc
自分で対応可能なものは対応し、対応できないものは関係部署への対応依頼を迅速に行う必要があります。

◆受注業務/納期調整
会社によっては営業部と受注部門が分かれていることもありますが、やはり対顧客の窓口は営業です。
オーダーを受け(受注)、しっかりと工場へ製造/出荷依頼を行い、顧客納期通りに製品を納入することが大事です。

注文書の記載が誤っていないか(特に価格改定直後は価格をチェック)、数量は多くないか/少なくないかなどを確認します。
また、顧客要望納期に間に合わない場合は納期の後ろ倒しや分納の調整が必要となります。

◆売掛金回収など
営業は売ることばかりクローズアップされますが、製品代金を支払ってもらうのも営業の大事な仕事です。

上述したように、基本的に商社が入っており顧客との与信リスクは商社が背負ってくれていることが多いです。
一方で、直接取引の場合は支払いがされない/遅れる等のリスクがあります。そんな時は、売掛金の入金依頼をしたり、担保金額を増額してもらったり(後述します)という対応が必要です。

◆4M変更対応
「4M」とは、「Man(人)」「Machine(機械)」「Material(材料)」「Method(方法)」のことであり、簡単に言うと製造プロセス等、品質に関わる変更のことですね。

原料変更や製造設備、包材の仕様などが変更となった時は文書を作成し対象顧客に通知する必要があります。通知するだけで終われば簡単なのですが、ほとんどの場合は顧客との適用可否や適用時期の調整が必要となります。これがなかなか大変です・・

◆契約書/納入仕様書等の締結
取引基本契約書や、製品を納入する際の規格や品質保証期限などを決める納入仕様書、秘密情報を交換する際の秘密保持契約書(NDA)などの締結業務について、営業担当者も内容を把握した上で法務部門と調整し、顧客とやり取りします。

◆輸出関連業務
海外顧客の場合、直接輸出/間接輸出で対応は変わりますが、輸出関連書類(インボイスやパッキングリスト)の作成、該非判定、キャッチオール規制審査対応 等が必要ですね。
後は船便の手配や納期遅延時の対応、海外輸送費用も含めた販売価格の見積などなどです。

3)新規顧客向け

新規顧客開拓の場合は以下のような業務をすることなります。
ちなみに新規顧客向け営業といっても、よくイメージされる「飛び込み営業」のようなものは基本的にありません。
HPの問い合わせページや商社の紹介等で事前にアポを取り面談するのが一般的です。

◆会社紹介・製品紹介
まずは自社とその製品を知ってもらうため、どんな企業でどんな技術を持っていて、どんな製品を製造販売しているかを紹介します。自社の製品や製造/販売拠点、業績などはざっくりと頭に入れておく必要があります。
会社案内や製品案内資料はすでに作成済の場合が多いと思いますが、ない場合や特別に用意したい場合は作成します。

◆サンプル手配・評価フィードバックの聴取
化学品の場合、少量のサンプルをまずは提供し顧客で評価してもらい、評価が良好であればスケールUP評価や量産評価へと進みます。

顧客担当者の課題や要求性能等をヒアリングし、自社製品の中でどの製品/グレードを紹介すべきかを決め、そのサンプルを手配します。

サンプル提供後は評価が完了した頃に評価結果のフィードバックを受け、評価がイマイチだった場合は他製品での評価や改善策を提案します。評価が良好だった場合、次のステップの評価用サンプルや量産品の販売の調整を行います。

◆採用時の需要数量や納入仕様の確認
量産採用はいつで、どのくらいの数量なのか、量産納入までにどんなステップがあるかなどを確認します。
在庫や製造キャパに余裕があればそれほど問題ありませんが、需給がタイトだと調整も必要となってきます。また、納入する際の荷姿や輸送方法、品質規格なども設定の必要があります。

◆商流、取引条件、販売価格設定(見積り)
納入する場合の商流は商社経由か直接取引か、支払い条件は前金かサイト取引か(例:納入月末締め60日後振込)、支払い能力が不安な場合は担保(金)等を預かるか、実際の販売価格はどうするか。等です。
ここはデリケートな部分なので慎重に行うことが多いですね。

上記のようなステップを経て、晴れて「既存顧客」となります。

4)その他社外向けの仕事

展示会に出展したり、何かの学会や集まりで講演を行ったりする場合は、それに向けた準備も行います。
展示会のブースやリーフレットの業者の方と話したり、実際に展示会のブースに立って来場者に対応したり。という感じですね。

業界紙や市場調査企業などから調査を受けることもありますし、社外の研修に出席したり、担当する業界のセミナーに参加したりといったこともあります。

②社内の仕事

続いて社内向けの仕事です。
自社で製品を製造しているので当然と言えば当然なのですが、製品を製造してもらい問題なく出荷するためにの社内向けの仕事も非常に多いです。

1)関わる人

営業職はほぼ全ての部署との調整役になることが多いです。
滅多にないのは設備設計や保安系の部署の方ですが、例えば新規設備立ち上げという様な案件だと接する機会もあります。

製造、研究/開発、品証、物流、購買、経理、総務/人事、法務などはもちろんのこと、場合により情報システム、広報、内部監査などともやり取りします。

また、化学品を取り扱う化学メーカーとしては薬品規制や安全環境面も重要ですので、それらの関連部署ともしょっちゅうやり取りします。

2)実際の業務

◆販売予算の立案、実績見込の報告
上でも書きましたが、営業職ですので売上や利益の予算設定をし、その設定した予算に対し実績見込みがどうなのかを報告する必要があります。
予算と乖離がある場合はその要因が何なのか、未達の場合は達成するためにどのようにバックアップのアクションを行うのか、という対応も必要となります。

◆顧客へ提出する資料の作成/確認
製品を販売する際の社外への窓口は基本的には営業です。
ですので、社外へ提出する資料について問題がないか、より良い内容にできないか等の最終確認も営業が実施します。

例としては、スペックシート、見積書、4M変更時の通知文書、品質不具合の報告書、技術データなどが典型的ですが、SDSや非該当証明書、含有物質調査回答書・・などなど、社外に提出する書類は非常に多いです。

自分で作成した資料はもちろん、SDSや含有物質調査回答書などの専門部署が作成した資料も必ず提出前に確認します。

◆顧客情報の社内への共有
顧客などを訪問した際に得た有力な情報や案件の進捗状況などは社内関係者へ共有します。

面談メモを書いたり、定例会議で報告したりと方法は様々ですが、営業の大事の仕事の1つは、社外窓口として得た情報をスピーディーかつ可能な限り正確に関係者へ伝えることです。
そして顧客から受けた質問や要望も関係部署に共有し対応を依頼します。

◆需要・納期を元にした生産・出荷の調整
化学メーカーというか、メーカーならどの企業もそうなのですが、原料があって、現場で製品を作ってくれている方がいて、設備があって、在庫保管場所があります。

生産能力以上の注文が来ると対応できませんし、製造後の保管期限が短い製品は在庫繰りが難しいです。また、注文が少ないと製造予算を達成できなかったり、製造現場の方の仕事がなくなったります。

1つ上にも書きましたが、顧客の需要や納期に関する情報を可能な限り正確に把握し、製造部や物流部等に連絡し必要な調整を前広に行う必要があります。
「製造調整会議」などが定期的に開催される企業も多いですね。

◆マーケティング・事業戦略の策定
自分の担当製品が今後も継続的に売れるのか、将来は減るのか増えるのか。
増える場合、現有設備の生産能力で足りるか、減少する場合の要因は何で、担当製品の販売戦略を今後どのように設定するのか・・・ということも営業の重要な仕事です。

例として、ガソリンエンジン自動車に多く使用されいる製品があろ、これまでは順調に販売されていたが、時代はEVへのシフトが進んでいる。といった場合は将来的に売上減少が予想されます。
エンジン自動車以外の工業用途へ拡販できないか、その用途へ求められる性能は何で、どの地域でその程度売れる見込みがあるか、など将来戦略を立て、必要な情報を得るためのマーケティングを実施することになります。

◆新製品(案件)提案+推進
既存製品の新規用途への拡販や新規製品の立ち上げを狙う場合、社内へそれをプレゼンし、必要な人員や予算を割り当ててもらったり、案件進捗の了承をもらったりする必要があります。

多くの場合は、社内で検討テーマとして上程し、初期検討→最適化検討→量産化検討というようにステージUPしていきます。(このあたりのステップや呼び方は会社によって異なります)
その過程で、顧客へサンプル提供し、製品仕様や原料・製造方法を決定したり、コスト試算したり、事業性を確認したり、必要な製造設備の検討をしたりします。

◆知財関連業務
自社製品の拡販や競合との競争のため、特許出願戦略を検討したり、商標出願の要否について判断したりします。

もちろん製法や物質といった基本特許や、顧客が自社製品を用いて実施す技術に関する特許(いわゆる用途特許)に関して、特許クリアランスを実施し、自社が営業活動をする上で懸念となる他社特許がないかや、侵害しそうな他社特許がないか等を調査します。
こちらは基本的に知財部と協力して行いますね。

◆品質関係、監査関係、安全関係
クレーム等があった場合は品証部やその他関連部門と協議し対応方針を決定します。
自社製品はどういった使われ方をしているのか、顧客が使用する際の安全上に問題ないか、危険物であれば必要な表示はできているかなどについては化学品安全部門や品証部門との連携が必須です。

ISO9001やJ-SOXといった各種監査の場合は、品証部や内部監査部からの指示によって証憑の整理や監査への出席対応も必要となりますね。
会社によっては内部監査員に任命され、他部署の監査を行うこともあります。(僕もたまにやります)

◆研修関係
研修も頻繁に受けます。
自身の役職に応じた人事研修はもちろん、化学品安全研修、法務研修、知財研修、貿易輸出管理研修…等々。

◆営業事務
新規顧客の出荷先や販売する製品、価格などを社内システムに登録したり、見積書を作成したり、顧客や製品毎の販売実績データを集計したり、請求書の支払対応をしたり・・・事務作業もとても多いです。
営業アシスタントの方がいらっしゃる場合が多いですが、判断するのは営業担当です。

あと、しょっちゅう外出するので、交通費や交際費の精算も地味に手間がかかります。

シンゴ
シンゴ

書いていると業務だけで結構な文字量になりました。
記事をわけてもよかったですね。

出張・外出

担当製品やエリアによって頻度は人それぞれですが、僕はあっちこっちへ飛び回っており出張はとても多いです。
移動が多いのが苦手な方や、環境が変わると仕事ができない方などは少ししんどいかもですね!

①社外向け

ここまで書いた内容でも触れていますが、以下のような場所へ行くことが多いです。
もちろん、訪問すべき場所が海外なら海外出張も行きます。僕は業務的にアジアへ行くことが多いですね。

◆顧客
営業なのでもちろん顧客へ訪問します。購買部門や事業部門は街中にあり、工場や研究開発部門は都市部から離れた場所にあるパターンが多いですね。

◆商社/代理店/自社の販売会社
既存取引の商流に入っていただいている企業はもちろん、新規案件や顧客の際に紹介を受けた/したい商社などへ訪問する機会も多いです。

特に、価格改定や4M変更などのややこしい案件の事前相談や、注力案件の進め方の協議など。実際の顧客へ訪問する前のすり合わせや戦略検討をするパターンが多いです。

◆外注加工先、原料メーカー
製造工程の一部や前後の処理を委託している/する予定の外注加工先へ、仕様や製法の調整などの協議のため訪問する機会もありますし、原料メーカーさんを訪問し、原料に関する技術的な質問や新規案件の相談などをする場合もありますね。

また、品質監査をする立場としてこれらの企業を訪問することもあります。

◆コンサルタント・市場調査会社
自社には知見が十分にない分野だったり、自社でやるには時間もお金もかかるような調査依頼したりする場合はこれらの企業を訪問することがあります。

◆展示会・講演会
展示会だと東京ビッグサイトや幕張メッセなどといった大型会場で、小規模なものだと貸会議場のような場所で開催されますので、そこを訪問します。講演会も似たようなイメージですね。会場まで訪れ話を聞いたりディスカッションしたりします。

②社内向け

社内でどこに行くんだという話ですが、以下のような場所へいくことがあります。

◆工場
メーカーですので製品を製造している工場があります。
そこには製造、生産技術、品証、物流、生産管理などの方が所属しています。
基本的にメーカーの営業職は工場を訪問し、工場の方々といろんな協議をします!
また、顧客をお連れすることも多いですね。

◆研究所・開発センター
これらの施設は工場に併設されている場合と、別の場所にある場合のどちらも多いですね。

化学メーカーですので、ほぼ間違いなく研究部門はあります。新規開発案件の検討をしていたり、社内で依頼された案件を対応していたりと様々です。
新規案件や注力案件の拡販のためには研究開発関連部署との連携が必須です。

◆本社・支店・海外拠点など
自分が勤務している建物のみで業務が完結することはまずありません。
本社や支店、海外の拠点などを訪問し、販売関連の会議や戦略検討のミーティングなどをする機会もしばしばあります。

◆研修施設など
研修はWebや普段勤務している事務所でやることが多いですが、研修施設を保有している企業であればそういった施設に行くこともあります。

持っていた方が良い知識・資格など        

最初に結論を書きますが、営業職をする上で必須の資格は基本的にありません。

一方で、ガスや医薬品など専門性の高い製品を担当する場合は資格を保有していないとそもそも業務ができない場合もあると思いますが、そういったケースは割愛します。

◆化学関連知識
社内・社外を問わず効率的に話を進められますので、化学系の知識は持っていたほうが良いです。化学構造式を見ながら議論したり、製造(反応や加工)工程をイメージしやすかったりします。
上でも書いた通り、顧客側の研究開発部門のお話しする機会も多いので、化学系同士だと話が早いです。

と書いたものの、化学系の知識は必須ではありません。というか僕は化学構造式なんか未だに理解できないし理解しようとする気もありません。それでも何とかなります。

僕の会社の営業担当者は研究から異動で来る人が多いので、自然と化学知識は持っている場合が多いです。
一方、社内の文系部門(人事や購買)から営業へ異動する人もいますし、僕のような転職で来た文系営業マンもいます。ただ、化学知識を持っていない代わりに、専門知識や得意なことが求められます。僕の場合でいうと前職の知識などですね。

◆製品・業界関連知識
営業担当として自社製品の販売を担当する以上、自社製品やそれが使用されている業界知識を身に着けることは重要です。

しかし、このような知識は業務をやっていれば自然に身に付きますし、ジョブローテーションで全く別分野の製品担当になることも多いので、これは入社・配属前に気にしても仕方ないかもしれませんね。
僕の例でいうと、似たような製品なのに自動車部品と化粧品に使用されていたりと、ほぼ真逆の業界を同時に担当していたこともあります。

サプライチェーンの上流に近ければ近いほど範囲は広がりますので、「広く浅く」の方が良いケースもあります。

◆語学スキル
語学スキルは重要です。特に英語はある程度できた方がベターです。

外国の顧客や商社、現地販売会社の担当者と会話やメールで連絡を取るとき、基本的には営業担当がコミュニケーションを担当します。
商社の方が通訳してくれる場合も多いですが、日本後で話してもなかなか伝わりにくい専門的な内容を、通訳をはさんで話すより自分で話せた方がよいですよね。

出張に行けば現地の方とコミュニケーションをとる必要もありますし、日本にいても外国語のメールや電話はしょっちゅうあります。
海外企業へ提出する報告書や契約書も英語ですし、僕が勤務している会社は定期的に海外拠点とオールEnglishでのグローバル会議もあります。
会社によってはTOEICのスコアが昇進条件になっていることなどもありますので、苦手意識を持たず少しずつ勉強をしておいて損はありません。

その次は中国語でしょうか。中国企業とのやり取りも多く、中国語を理解できれば世界が広がります。(僕は全く使えませんが)

◆貿易関連知識
化学メーカーは、国内向けより海外向けの売上比率が高いとこも多いです。そうなると当然貿易関連知識が必要となります。
業務をしていく中で自然と習得していきますが、持っていれば効率的に仕事ができます。

該非判定やキャッチオール規制といった輸出貿易管理関係の知識や、インコタームズ(DAPやFOB等)や貿易関連書類(インボイスやパッキングリスト等)といった貿易実務に関する知識など。海外企業とやり取りするには重要な知識ですし、判断を間違えると大きな問題になる可能性もあります。

◆PC・IT関連スキル
これは化学メーカー営業に限らずどこの企業の営業職でも必要ですが、最低減のネットリテラシーやPCスキルは必要となります。
とはいえ、基本的な知識と常識を持ち、Word/Excel/PowerPointの基本的な操作ができれば問題ありません。

営業職という関係上、数字を集計し資料を作成することも多いので、Excelスキルは磨いておいて損はありません!

◆その他知識・スキル
経理系や法律系などの知識やスキルも、持っていれば役に立つ場面は必ずあります。
なぜなら、営業職が関わる仕事は幅広く、様々なことに対応しなければなりません。
契約書を読む機会もあれば、取引先の経営状況を確認することもあります。

一見関係がなさそうな自分の職歴やバイトの経験、時には趣味なども役に立つ場合もあります。知識は無駄にはなりません!

最後に

化学メーカーは化学の専門知識が必要とか高学歴が多いとか色々といわれますが、入社して見ると本当に様々なバックグラウンドを持つ人がいます。

大学院でしっかり研究した分野をそのま仕事にしている人もいれば、まったく別分野の専攻の人もいます。無機原料をやっていたのに高分子ポリマーの業務をしていたり、農学部なのになぜ化学品の営業をしていたりと、様々です。
また、研究で入社したのに品証にいたり知財にいたりと、異動先も様々です。

上にも書いた通り、文系職から異動してきた方や、化学は全く分からないけど語学が堪能な方、僕のように他社からの転職組もいます。その会社の仕事に直結する専門知識では敵わなくても、必ず役立つ部分はあります。

興味がある方はぜひ入社を検討してみてはいかがでしょうか。


以上、化学メーカー営業の仕事内容の紹介でした!
文字ばかりになってしまいましたが、参考になれば幸いです。

おわり

Xからの読者コメントをお待ちしています。
ブログ更新の励みになります!

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


ABOUT ME
鳴山シンゴ
鳴山シンゴ
化学メーカー営業マン / ブロガー
世界を旅するブロガーを目指す30代化学メーカー営業マン。 趣味(読書、カメラ、サウナ、旅行、バドミントン)やお金・ライフハック関連の記事を投稿していきます!
記事URLをコピーしました