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2025年12月の読了本【7冊】

2025年12月の読了本紹介【7冊】
鳴山シンゴ
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

気が付くともう2025年が終わりますね。早い!!
2025年最後の月、12月に読んだ本を紹介します!
12月の読了本は小説が6冊、エッセイが1冊の計7冊でした。

それぞれについて紹介していきますね!

シンゴ
シンゴ

ネタバレはありませんので安心してお読みください!

11月(前月)の読了本と、2025年に読んだ85冊の内、ベスト10冊も記事にまとめています。どちらもご参照ください!

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2025年12月の読了本

①私が大好きな小説家を殺すまで/斜線堂有紀
②成瀬は都を駆け抜ける/宮島未奈
③逆転美人/藤崎翔
④自由研究には向かない殺人/ホリー・ジャクソン
⑤婚活マエストロ/宮島未奈
⑥キネマの神様/原田マハ
⑦時をかけるゆとり/朝井リョウ

私が大好きな小説家を殺すまで /斜線堂有紀/KADOKAWA

Kindle Unlimited

初読みの作者さん。
少し変わったペンネームですね。「斜線堂」は、島田荘司さんの代表作『斜め屋敷の犯罪』に由来しており、リスペクトを込めてこのペンネームにされたそうです。

本作の物語は、突然失踪してしまった人気小説家:遥川悠真の家を警察が調べている場面から始まります。

彼の家には少女が監禁されていたような形跡がありました。
そんな彼のパソコンに残された一つの小説。その小説には不幸な少女:梓が心酔する小説家:遥川と出会い、成長していく過程が記されていました。

梓は小学生に通う女子児童。病的ともいえるほど厳しい母親の下で育てられた梓は、午後7時~翌朝の7時までは押し入れに閉じ込められ暗闇の中で過ごすという生活を送っていました。

そんな梓の唯一の心の支えは、天才小説家である遥川の小説でした。梓は遥川の小説を暗記し、暗闇の中でもそれを読むことで長く辛い時間を耐えていました。

そんな日々を送っていた時、小学校の図書館司書が気を利かせて貸してくれた遥川の小説が母親に見つかってしまい処分されてしまいます。同時に母親もいなくなってしまいます。

そんな状況で人生に疲れた梓は自殺しようと踏切へ向かうと、憧れの対象であった遥川と出合ってしまい、遥川と梓の2人の歪な関係はそこから始まっていきます。

たぶん、遥川のやさしさは捨て猫に向けた同情に似たものだったと思います。でもその優しさを梓が享受し歪な共存を続けるうちに、2人とも狂っていってしまいます。

梓と共存することで、徐々に追い込まれてしまう天才小説家。そしてそんな遥川を励ましたい一心で、梓は遥川に呪縛を掛け続けてしまいます。
期待や羨望は時に受けた側の手足を削ぐのみならず、心まで蝕んでしまうのでしょう。

いつまでこの歪な関係が続くのか、白日の下に晒されると確実に不幸な結末を迎えるその「秘密」はどのような結末を迎えてしまうのか。怖いもの見たさでハラハラしながら読み進めてしまいます。

「私が大好きな小説家を殺すまで」

その名の通りの小説。そこに至るまでの過程が儚く、引き込まれてしまいます。

成瀬は都を駆け抜ける/宮島未奈/新潮社

購入本

皆さん大好き「成瀬あかり」シリーズ。
「令和で一番売れた小説」という煽り文句は伊達じゃありません。

2025年12月1日に発売されたばかりですので、これを機にまだ成瀬あかりに出会っていない人は読んでみてはいかがでしょうか?

令和に颯爽と現れ、多くの読者の心を鷲掴みにした「成瀬あかり」シリーズ。
とてもとても残念なのですが、この3作目で完結となります。

本作は、タイトルの通り主人公:成瀬あかりが京都の町を駆け抜けます。
「駆け回る」ではなく、「駆け抜ける」となっているのが、疾走感があり常に成長を続ける成瀬あかりにピッタリのタイトルですね。

京都大学の1回生となった成瀬あかり。その京都大学の入学式から本作は始まります。
びわ湖大津観光大使も務めながら勉学に励み、バイトにも励み、毎朝のトレーニングも欠かさず、簿記も受験し、手話も始め、なぜか麻雀も始めた成瀬あかり。
京都大学進学をきっかけに、京都のガイドブックに書かれたスポット巡りも始めます。

どうやらこの夏は簿記に捧げるようで、以下フレーズも成瀬ファンならにやりとしてしまいますね。

田中、わたしはこの夏を簿記に捧げようと思う

成瀬は都を駆け抜ける/宮島未奈/新潮社

本作には森見登美彦作品が出てきたり、京都の地名が至るところに出てきたりと京都愛にあふれています。作者である宮島先生も京都大学の卒業生とのことで、納得ですね。
(それにしても京都大学卒の小説家さんは本当に多いですね)

この3作目を読むということは、一作目の「成瀬は天下を取りにいく/宮島未奈/新潮社」と2作目の「成瀬は信じた道をいく/宮島未奈/新潮社」もすでに読了していることでしょうから、成瀬あかりの魅力は僕のこの拙い紹介文を読むまでもなく皆さんご存じだと思います。

今回も成瀬は自分が信じた道をいくために京都を駆け抜けます。
そんな成瀬と関わる人たちは、最初は成瀬を敬遠したり近づきがたく感じたりしてしまうんですが、だんだんと成瀬に惹きつけられてしまうというのが良いですね。

同じ京都大学1回生の坪井さくらやyoutuberの「ぼきののか」が、徐々に成瀬に心を開きお互いに信頼する様子を見るのも楽しいですし、前作から登場した、成瀬と同じくびわ湖大津観光大使の篠原かれんとも良好な関係を築けていそうで読者も読んでいて嬉しくなってしまいます。

また成瀬も大学生となり、相変わらず自分の道を突き進むのは変わりないのですが、気の利いた返事ができるようになったり感情が少しだけ豊かになったりと、成瀬自身の成長を見られるのも、まるで保護者になったかのような気分にさせてくれます。

まさにそんな保護者目線の「そういう子なので」という話も収載されています。
タイトルの通り、あかりの母親目線で進むお話です。これまで成瀬シリーズを読んできた方には成瀬あかりは「そういう子」ということはもう十分に分かっているので、説明するまでもありません。

でも成瀬あかりが生まれてから大学生になるまでの成長を親目線で振り返ることができるこのお話は、特に子を持つ親ならジーンとくること間違いありません。僕もこのお話が大好きです。

これまで成瀬あかりと関わった人たちが勢ぞろいする大団円。いい終わり方でした!
いろんな人物が出てきたけど、やっぱり成瀬の横に一番しっくりくるのは島崎ですね。成瀬が島崎を信頼しているのがまたよきです。

「成瀬あかり」シリーズは終わってしまったけど。この先いつかどこかで会えるのを楽しみにしています!

「わたしは大きなことを百個言って、ひとつ叶えばいいと思っているんだ」

「みんなは『極める』という到達点に注目するのだが、わたしはそこに至る道が重要だと思っている。ゴールにたどり着かなくても、歩いた経験は無駄じゃない」

成瀬は都を駆け抜ける/宮島未奈/新潮社

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1作目、2作目を未読の方はぜひ先にそちらを読んでください!

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逆転美人/藤崎翔/双葉社

図書館で貸し出し

Xなどでよく見かけていた本作。図書館にあったでの借りてみることに。
なんと著者は元お笑い芸人とのこと。すごいですね。

タイトルである「逆転美人」の意味はかなり序盤で明らかにされます。
僕たちのような普通のルックスである人は、芸能人のようなとび抜けた美貌を持つ美人を羨み、嫉妬し、「人生なんて楽勝なんでしょ」と考えてしまいます。
でも、「美人」だからこそ経験する地獄もあるようです。

学校の男子のみならず、教師からも勝手に好意を向けられ、その男性を好きな女子や美貌に嫉妬した女子からいじめられ、性犯罪や誘拐にも会い、そんな状況でまともに学校も通えなくなり、学力も常識もないまま社会へ放り出される。

そんな美人が、出版社の依頼を受け赤裸々に書いた、地獄の様な人生を振り返った手記。
本作は作中で出版された手記がそのままの形式で掲載されています。

束の間の幸せな時期はあるけど、もうずーっと辛い。読んでいて辛いです。
冒頭の場面で、結婚して子供もいるので何とか地獄のような辛い時期を超えたんだなということは推測されます。
しかし、父と夫を亡くし、娘は事故により車椅子での生活を余儀なくされ、世間からも冷たい目を向けられるこの美人は、どういう人生を歩み、どのような結末を迎えるのか。
先が気になって読み進めてしまいます。

そんな手記が終わり、「追記」が始まったとこで思わず声が出ました。どういうことだ?
そして、「追記」で明かされる真実と、手記に隠されたとある仕掛け。
いやーすごい。この読み方は始めてでした。趣向を凝らした仕掛けはいつも驚きの読書体験をさせてくれますね。

ネタバレになってしまいますので何も書けませんが、「追記」を書いた人も、本作の作者もよくも根気強くかつ緻密にこんなことをしたものだと驚きます。

読みながら感じた時事ネタや細かな表現についての違和感は間違いではなかったです。
しかも最後もそう来たか。

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本作が楽しめた方は、「世界でいちばん透きとおった物語(杉井光/新潮社)」もおススメです。こちらもとある仕掛けが隠されており、楽しい読書体験ができますよ。

自由研究には向かない殺人/ホリー・ジャクソン/東京創元社

図書館で貸し出し

Xでもよく読了記録を見かけていた本作。
「自由研究」と「殺人」という単語が結びつかず、興味深かったので借りてみました。

ちなみに本作品はネットフリックスで実写ドラマを見ることができますので、ご興味がある方はぜひ観てみてください。

舞台は2017年のイギリスの小さな町。
その町に住む高校生のピップは、大学受験をしつつも自由研究(EPQ)の題材として5年前に起こった殺人事件の冤罪を立証するための調査を始めます。

5年前にアンディという少女が失踪し、その交際相手であるサリル(サル)が遺体で発見されます。警察はサルがアンディを殺害し、その後自殺したと結論づけます。ピップはサルがアンディを殺したはずがないと考え、真相を突き止めるために奔走します。

読む前は、時代設定が少し昔(1900年代後半)の物語と勝手に思っていましたが、めちゃくちゃ現代の物語でした。

本作は主人公であるピップの一人称視点となっており、ピップの1人語りと調査レポートなどを追いながら真相に近づきます。
チャットアプリでやり取りする画面や、メモの切り抜き、間取り図など、文章のみならず様々な視覚的な工夫も凝らされていて、僕たち読者も一緒に調査しているような感覚になるのが面白いですね。

余談ですが、文法による仕掛けや日本人には通じにくい表現などもあり、やっぱり海外小説は原文で読んだ方が100%楽しめるんでしょうね。
(コロコロ呼び名が変わるのも少し混乱しました)

ピップの若さゆえの行動力がすごい反面、向こう見ずさにヒヤヒヤします。頭は良くても無鉄砲なティーンエイジャーというピップのキャラクターを存分に感じることができます。

よくある漫画のように、なぜか警察が協力的だったりめちゃくちゃ便利な秘密道具があったり・・・なんてことは一切なく、高校生ができる範囲での泥臭く粘り強い調査を行います。

彼女の相棒はサルの弟であるラヴィ。彼は兄が殺人鬼に仕立てられたせいで人生を台無しにされた人間の1人でした。

警察や周囲の人からも探偵ごっこと思われながらも、ひとつひとつのバラバラなピースを集め繋げていくのは心地よいですし、「周囲の人からとても慕われていたサルが犯人なはずがない」と読者も思わされますので、「何とかサルの無実を立証し、彼と彼の家族の名誉を回復してあげてほしい!」と読みながら無意識にピップとラヴィを応援してしまいます。

調査の過程で複雑な人間関係が徐々に明らかになり、ピップと親しい人も容疑者として挙がってきます。信頼していたあの人、仲の良いあの子…etc。
犯人は誰なのか。疑心暗鬼になり自らも危険な目にあいながらピップは真相に近づきます。

そして最後に明らかになる、“本当の真実”。いやー面白かったです。

ちなみに本作は3部作となっておりまして、2作目の「優等生は探偵に向かない(ホリー・ジャクソン/東京創元社)」、3作目の「卒業生には向かない真実(ホリー・ジャクソン/東京創元社)」もあります。
いずれもピップが主人公なので、ご興味があればぜひ読んでみてください。僕もいつか読んでみます!

婚活マエストロ/宮島未奈/文藝春秋

Kindle Unlimited

宮島未奈先生と言えば、上でも紹介した「成瀬あかり」シリーズが大変有名ですよね。

前々から読みたいと思っていた本作ですが、Kindle Unlimitedの読み放題対象作品にて発見!入ってて良かったKindle Unlimited!

今回の舞台は静岡県。
宮島先生と言えば京都や滋賀のイメージがありますが、ご出身は静岡県です。
著者のその地域への知識が深いほど、よりマニアックでローカルなネタを作中にちりばめられますので癖になる面白さになりますよね。地元の放送局の番組とか、地元でしか伝わらないネタとか。その地域に住んでいる人はローカルネタに「あるある」となりますし、その地域に住んだことがない人にとっては未知の世界で面白いです。

さて本作の主人公はフリーのライターである40歳の猪名川健人。成瀬あかりとは違う、特別な才能もない平凡な社会人です。

猪名川はネット記事や雑誌記事を書いて何とか生活できている程度のフリーライターで、大学時代に住んでいたワンルームの賃貸アパートに20年以上住み続けています。独身、運転免許もなしというザ・平凡という感じの男です。

そんな猪名川のもとに婚活事業を運営する「ドリーム・ハピネス・プランニング」という企業の紹介記事を書く仕事が舞い込みます。
その流れで、ドリーム・ハピネス・プランニングが運営する婚活パーティーにお試しで参加してみた猪名川が出会ったのは、「婚活マエストロ」と呼ばれている鏡原奈緒子。

猪名川は婚活パーティーに参加したり、取材のためにドリーム・ハピネス・プランニングのパーティー運営を手伝ったりする過程で婚活に関わるようになり、鏡原との距離も近くなります。

成瀬とは違い平凡でその場の状況に流されていく主人公ですが、不思議と嫌悪感はありません。むしろ成瀬あかりとは違い平凡な社会人だからこそ読者は共感する部分も多くあるのかもしれませんね。

また「婚活」という大人の恋愛事情がテーマだからこそ、経済状況や結婚への価値観などがリアルに感じられます。婚活パーティーでの自己紹介やフリートーク、もっと話したい相手や気になった相手を選択する際の照れなど、婚活のなんとも言えない気恥ずかしさや、婚活にかける思いなどを疑似体験しながら読むことができるのも良いところですね。
僕は既婚で婚活も未経験ですが、主人公と歳が近いこともありより感情移入できたのも良かったです。

そしてさすがのテンポの良さ。読んでいて飽きることもなく一気に読み終わることができました。

猪名川との初対面の印象が悪かった鏡原さんですが、次第に親しくなっていくのが良かったですね。というか本作の主人公は猪名川なのですが、読んでいくとタイトルにもなっている「婚活マエストロ」こと鏡原さんのことを徐々に好きになっていきます。

なぜ美人で有能そうな鏡原さんが怪しげな婚活パーティー運営会社で働いているのか。なぜ彼女は「婚活マエストロ」と呼ばれているのか。婚活経験者も未経験者も読んでみてほしい作品です。

…最後にこれだけ、やっぱり滋賀に行くんかい。

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キネマの神様/原田マハ/文藝春秋

Kindle Unlimited

本作は2008年に発行され、2021年には実写化もされています。
2008年当時までに上映されていた名作映画やそれから上映される映画などについても多く言及されています。作中のPCやネットの描写が時代を感じますね。

本作の主人公は、大手都市開発企業で若くして女性課長までなった円山歩。
キャリアウーマンとして順調に出世街道を進んでいた歩ですが、社内で根も葉もない噂を流され左遷され、それを理由に退職してしまいます。
そんな無職の歩は、父:円山郷直が病気で入院中の間、父が管理人を務めるマンションの管理を代行することに。

父は宵越しの金は持たないを信条とする遊び人でギャンブルに明け暮れていました。
そんな父にはもう一つ大好きなものがあり、それが映画でした。
長年、大量の映画を鑑賞し、その評論(というまでもない映画鑑賞日記)を管理人日誌に書き続けていました。

管理人代行中に管理人室でそれを見た歩。実は歩は大学では文学部に所属し、映画評論をかじっていたというかなりの映画好き。自分も「ニュー・シネマ・パラダイス」という映画の感想を書いて管理人日誌に挟み込みました。

それを父が偶然発見し「映友社」という映画雑誌のブログに投稿したことから、歩は映友社のライターとして入社し、「キネマの神様」という映画評論ブログを担当することに。
そこから歩と父を取りまく環境は大きく変わっていきます。

そこから先の展開は実際に読んで確かめていただきたいのですが、歩とギャンブルと映画鑑賞にまみれた父が「映友社」を大きく変えていきます。

等身大で評論とも言えないけど、どこか温かく読ませる映画評を展開する「ゴウ」と、映画に関する圧倒的な知識とロジカルな主張を持ちゴウと真っ向から論争を行う謎の人物「ローズ・バッド」。両者がブログ上で展開する映画論の応酬は、激しいのだけどお互いへのリスペクトが感じられます。

歩が書いた「ニュー・シネマ・パラダイス」の映画評論を読み始めたところでぐっと来て、その後も「ゴウ」が書く等身大の映画評論にも引き込まれました。
そして、「硫黄島からの手紙」に関する両者の評論が一番心を打ちました。

原田マハさんは人を魅了する文章をどうしてこうも書けるのでしょうか。

「本日は、お日柄もよく(原田マハ/徳間書店)」のスピーチを読んだ時を思い出しました。こちらも名作なので未読の方はぜひ読んでみてください。

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大企業に勤めて大きな仕事をやるだけがやりがいではありません。好きなものに真心を持って必死に取り組めばきっと「神様」は見てくれている。そう思わせてくれた心温まる作品です。

僕は映画に全くと言っていいほど興味がないですが、それでも非常に楽しめた作品でした。
映画好きならもっともっと楽しめたのになあ。と少し寂しさが残りました。

この世に映画がある限り、人々は映画館へ出かけていくだろう。家族と、友人と、恋人と……ひとり涙したいときには、ひとりぼっちで。

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時をかけるゆとり/朝井リョウ/文藝春秋

Kindle Unlimited

2025年を締めくくるのは本作。最後の最後は本当にふざけた本です。自分でもこれが最後かとびっくりです。

ずっと読みたかった朝井リョウさんのエッセイ。Kindle Unlimitedの読み放題対象だったので早速読んでみることに。
いやこの本はダメですね。電車や病院の待合などでは読めません。ニヤニヤして変な人だと思われます。マスクを着けてその中で笑いをかみ殺すことを推奨します。

著者自身の学生時代や新社会人時代の出来事を書いているだけで、くだらないストーリーばかりなんですが、いちいち作者のワードセンスが面白くしっかりオチを付けてくるもさすがの一言。「どうぞ出しゃばりな祭」とかね。
個人的に一番ウケたのは100キロハイクの途中でみた夢の内容でした。

僕は著者と同性、同年代ということもありとても引き込まれました。
「目が悪い方がカッコいい」とか、「地毛が茶色いのに憧れる」とか、まさに小学校から中学校の時に通ってきた道でしたし、健全な男子ならだれもが発症する「中二病」についての解像度も高かったです。そして、思い付きの行動力とそれを支える無謀さ・無計画さが発揮される大学時代。最高です。

もう本を開くとのっけから便意の話。その後も肛門の話があったり美容師とのバトルがあったり。と、誰もが1つは持っているができれば心の奥深くに隠しておきたいであろう恥ずかしい話や失敗談をここまで明け透けに書いていて大丈夫なのか、と読んでいて心配してしまいます。

この著者だからこそ、「何者(朝井リョウ/新潮社)」や上でも紹介した「正欲(朝井リョウ/新潮社 )」などのギャグなしの社会派小説も書けるし、「生殖記(朝井リョウ/小学館)」といったおふざけ全開だけど人間の本質を考えさせてくれるような作品も書けるのでしょうね。

ちなみに「生殖記」は個人的に2025年のベスト小説です。ぜひ読んでみてください!

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どの話もめちゃくちゃ面白いのですが就活の話が面白かったです。この書き方は卑怯です↓

シューカツには説明会参加から内定にいたるまで数々のステージがあるのだが、せっかくなので、そのステージごとに心に残ったことをここに書き記しておきたいと思う。ただひとつ前置きしておくが、これからシューカツをするという大学生で、「何か参考になるかも」等の期待を抱いている方はそんな思いを一切捨て去っていただきたい。むしろこれを読むくらいならその時間を使って少しでも新聞等を読むべきである。

時をかけるゆとり/朝井リョウ/文藝春秋


終盤の直木賞受賞後のエッセイがとても素晴らしかったです。
著者がいかにして小説や「書くこと」に興味を持ち、それを磨いていったのかが「人生ゲーム」になぞって書かれており、やはり朝井リョウ先生はすごいなと感心した次の文章の出だしが、

直木賞をいただき、痔になった。

時をかけるゆとり/朝井リョウ/文藝春秋

だったので、「この人、ホンモノの天才だ」と思いました。

第2作目「風と共にゆとりぬ(朝井リョウ/文藝春秋)」、第3作目「そして誰もゆとらなくなった(朝井リョウ/文藝春秋)」も読みたい!

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Kindle Unlimitedなら、月額980円(税込み)で本が読み放題です。

Kindle Unlimitedとは…

Amazonの読書サブスクサービスです。
月額980円(税込み)で、小説、ビジネス書、漫画等 様々なジャンルの本が読み放題です。

以下ボタンから、Kindle Unlimitedに登録ができます。
初回30日は無料なので、試してみてはいかがでしょうか!


以上、2025年12月の読了本でした!
最後の月も素晴らしい本を読むことができました!!

おわり

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鳴山シンゴ
鳴山シンゴ
化学メーカー営業マン / ブロガー
世界を旅するブロガーを目指す30代化学メーカー営業マン。 趣味(読書、カメラ、サウナ、旅行、バドミントン)やお金・ライフハック関連の記事を投稿していきます!
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