2025年11月の読了本【8冊】
2025年11月に読んだ本を紹介します!
11月の読了本は小説が6冊、その他が2冊の計8冊でした。
11月下旬の引越しにかなり時間を取られたので読了数は少ないですが、濃い作品ばかりで大満足でした!
それぞれについて紹介していきますね!

ネタバレはありませんので安心してお読みください!
10月(前月)の読了本は以下記事にまとめていますので、ご参照ください!


2025年11月の読了本
①夏への扉/ロバート・A・ハインライン
②銀河不動産の超越/森博嗣
③生殖記/朝井リョウ
④星がひとつほしいとの祈り/原田マハ
⑤硝子の塔の殺人/知念実希人
⑥入居条件:隣に住んでる友人と 必ず仲良くしてください/寝舟はやせ
⑦ニッポン社会のほんとの正体 投資とお金と未来/堀江貴文
⑧とにかく休め! 休む罪悪感が吹き飛ぶ神メッセージ88/Testosterone
夏への扉/ロバート・A・ハインライン/早川書房
図書館で貸し出し
海外の傑作SFをネットで調べると上位にランクインされていることが多い本作。
恥ずかしながら全く知らなかったのと、SFとは思えないほのぼのとした表紙絵とタイトルが非常に気になり、図書館で見つけて早速読んでみることに。
本作は1956年に発表されました。その後約70年経っても愛されている傑作SFです。
SF好きは読んで損はない名作です。加えて、猫への愛もすごいので猫好きの方にもオススメです!
本作の舞台は1970年代のアメリカ。
主人公:ダンが飼っている猫のピートは、冬になると「夏への扉」を探し始めます。
住んでいる家の扉のどれかが、暖かい夏へ続く扉だと信じているからです。
ダンは非常に優秀な技術者なのですが、共に会社を経営していた親友と恋人に裏切られ、自分の「夏への扉」を探します。
そんなダンは現状に嫌気がさし、冷凍睡眠によって西暦2000年の未来へ旅立ちます。
正直、前半は「これってSFなのか?」と思いながら読み進めましたし、実際にダンが冷凍睡眠に入るまでも長かったです。しかし、ダンが未来で目を覚ましてからは「これぞSF」という内容でした。
本作発表当時の1950年の人が思う、2000年の世界。
名作映画「バックトゥザフューチャー」を観ているのと同じようなワクワクした気持ちになりました。「バックトゥザフューチャー」は1985年公開なのですが、その20年以上前にこんな作品があったとは。驚きです。
冷凍睡眠から目覚めたダンが目にしたのは、科学技術が発展し、自動化や医療技術が進んだ西暦2000年の未来。一方で、戦争や政治的な出来事により世界は様変わりしていました。
本作が執筆された当時の、まだ見ぬ未来への明るい期待と不安がビシバシと伝わってくるようです。
コールドスリープから目覚めてまずすることが貨幣価値の確認、現代語の習得、世界情勢と科学技術の発展度の確認、生活するための資金確保。というのが現実的でとても興味深かったです。確かにいきなり30年後に目覚めて順応できないですよね。
僕はダンの以下のセリフがとても印象的でした。
どんなに予測をしても未来なんてわからないし、万が一知識として知っていたとしても実際に行動するためには勝手がわからず手探りでするしかない。という感情をものの見事に表現していました。
西暦2000年に生きることは、本で読むのとかなり違った。それはセックスについて本で読むのに似ていた。
未来で生活するダンは様々な違和感に気づき、また過去に残してきたとある心残りへの思いが膨れ上がってきます。
この先の展開は超ネタバレになりますので深くは書きませんが、後半にかけ物語はさらに面白くなっていきます。
辛いことばかりに遭うダンですが、持ち前の行動力とユーモアで時間旅行に臨みます。
彼と愛猫のピートはどこかで「夏への扉」を見つけられたのでしょうか。
読了後は「読んで良かった」となること間違いなし。文句なしの名作です。
ちなみに本作は、なぜか日本を舞台に、山崎賢人さん主演で2021年に実写映画化されています。ご興味のある方は観てみてはいかがでしょうか。
銀河不動産の超越/森博嗣/文藝春秋
図書館で貸し出し
図書館で読む本を物色しているとき目に留まった本作。
森博嗣先生といえば、デビュー作の「すべてがFになる(講談社)」が非常に有名であることは知っているのですが、恥ずかしながらこれまで1冊も森先生の本を読んだことがありませんでした。というわけで早速読んで見ることに。
本作の主人公は、就職活動がうまくいかず新卒で零細の不動産会社「銀河不動産」に入社した高橋君。
遅刻癖あり、出不精、優柔不断、やる気なしと良いとこなしの高橋君なのですが、不思議なことに悪い点はそれほどありません。
しっかりと仕事はするし、人当たりもいい、そしてお人好し。でも明確に否定もせず人に流されるまま。
そんな高橋君だからこそ周囲の人が集まってきて、拒絶もしないから減ることなくどんどん増えていく。増えるのは周囲の人だけじゃなく、モノも増えていく。
高橋君は、たまたまお店に来ていた地元のお金持ちのご夫人に物件を紹介します。
するとなぜか夫人に気に入られ、夫人が大家となった物件に格安で住むことに。
その物件はとても広く持て余してしまうのですが、なぜか芸術家女性2人と同居することになったり、音楽家からもらったギターとアンプが置かれたり、室内に遊具が置かれるようになったりと、本人の意思とは関係なく様々な人が出入りし、様々なものであふれかえります。
物語の前半は不動産会社の社員としての仕事の描写が多いですが、後半からもはや不動産会社の話はほぼなくなってしまいます。
読んでいて、周囲の人に流されるまま生きていく高橋君にいらいらするかもしれませんが、全体的に暗い話も悲しい話もなく、読んでいてほっこりとした気持ちになります。
図書館で直感で借りてみましたが、正解でした。
そんな受け身青年の高橋君ですが、彼の行く末はどうなるのでしょうか。
個人的には、とても気持ちよく爽やかになれる結末でした。
物件のイメージが少ししづらかったので、見取り図や挿絵のようなものがあればより物語に没入できるのになーというのが少しだけ残念でした。
本作を読んでいると、受け身であってもきっかけに気づき人の信頼を損なわないようにい続けるというのも一つの努力の形なのだろう。ということに気づかせてくれます。
生殖記/朝井リョウ/小学館
Kindle Unlimited
Kindle Unlimitedで読み放題対象になっていた本。
タイトルと表紙から勝手に「固そうだな」とか「暗そうだな」とか思っていましたが、全然そんなことはありませんでした。
正確には、内容はいたって真面目でどちらかというと固めで暗めであることは間違いないのだけど、面白おかしく小説として成立させていることが秀逸です。
この作品はヤバいです。2025年のベスト小説かもしれません。
一座上げた視点から俯瞰的に観測される「人間の営み」。小説の殻を被った問題提起なのか?とにかく衝撃作です。
本作の語り主の正体が判明するまでの流れも秀逸です。
冒頭で、語り主は神のように生物を超越した視座を持つものによる観察記録なのだろうか。
と読んでいると「お前かよ」となります。
本当にこの作者は作品のジャンルの振れ幅がすごいですし、なぜこうも腹落ちすることを言語化できるのでしょうか。
似たようなジャンルを扱い、かつおふざけ感がない同著者の「正欲(新潮社)」も名作です。ぜひ読んでみてください。
本作は、生物に備わっている「生殖器」が自身のついてある宿主、すなわち人間を観察している記録です。だからタイトルは「生殖記」。わかりやすい。
語り手がついている人間のオス個体が、本作の主人公である尚成です。
尚成は性的マイノリティである同性愛者です。本来の役割を果たせない個体である尚成に宿ってしまった「生殖器」。
尚成は同性愛者であるがゆえに、幼少期から家族や学校という共同社会から疎外されてしまいます。
なぜ同性愛者が悪とみなされ共同社会から追放されるのか、その理由がロジカルに説明されていて腹落ちしました。というか本作は腹落ちしすぎるポイントが多すぎて、勝手に「腹落ち小説」と名付けたいです。
その共同社会からの追放を回避し、かつ人間の資本主義の世界で生き延びるため。そして人間たちの監視の目から逃れるために、尚成は擬態します。
拡大、成長や次世代への継承なんてどうでもいい。でもそれを目指さないと人間の世では生活できない。なので尚成は「手は添えて、だけど力を込めず」のスタンスを取ります。
体育の授業で大きくて重いマットを運ぶ時のように、みんなで力を合わせ運ぶんだけど、力を入れすぎない。大きな流れとしては成長や目標に向かって足並みはそろえるのだけど、決して力はいれない。
これって誰しも経験があると思うのです。
僕がシゴデキ営業マンのように見せかけて、本当は会社の発展なんか気にしてないし自分が昇進しても年収なんてたかが知れてるけど、はみ出さないように営業マンごっこしているだけ。というスタンスを誰かに気づかれているような。はっとさせられました。
本作は生殖器が語り手で同性愛者が主人公のお話なので、どうしてもセクシャルで次世代への種の保存、というようなテーマが扱われています。
が、共同体から迫害される人が発生する過程だったり、人間社会が資本主義になって生き残るために必要な条件であったり、「手は添えて、だけど力を込めず」を貫く手法であったり、人間が「理由もなく強い気持ち」を抱くようになるメカニズムであったり。
もう僕らがこれまで考えたことも逆に考える必要もなかったことも、わかりやすい文体でグサグサと僕らの心にぶっ刺さってきます。
そんな同性愛者で生産性も成長性も望んでおらず、ただ寿命が終わるまでの時間をどう過ごすかについて追われている尚成にとっての「幸福」とは。
その幸福にたどり着いたのがめちゃくちゃ面白かったです。
この作品が気に入ったら、「コンビニ人間(村田沙耶香/文藝春秋)」や、「地球星人(村田沙耶香/新潮社)」もオススメです。
どちらも衝撃を受けるというか、普通って何?と僕たちに問いかけてくれます。
読む人を選ぶと思いますが、僕には超刺さる衝撃作でした。
とても感想を書ききれませんので、このあたりで終わっておきます。
星がひとつほしいとの祈り/原田マハ/実業之日本社
Kindle Unlimited
次読む作品を探していた時にKindle Unlimitedで目に留まったこの作品。
タイトルや表紙から内容はわかりませんでしたが、原田マハ先生の作品なら間違いないと思い読み始めました。
本作は7編の独立短編集です。
共通しているのは、どのお話も「死」について触れられている点です。
でも「死」へのかかわりは直接的でなく、登場人物の母親の死だったり、中絶した胎児だったり、絶滅しそうなトキに関連するお話だったり。
どちらかというと「死」について直接的に考えるのではなく、その周辺の人間ドラマに焦点を当てた作品のように思いました。
舞台は松山だったり佐渡島だったり秋田県だったり。
それぞれの土地だからこそ感じる自然の描写や方言で、一冊の本でいろんな場所を旅して、色んな人に会うことができるような気持ちを感じさせてくれます。
そして多分、どの話も何かが解決したり結論が出たりする1歩2歩手前で終わります。
「この子はこれから生涯をかけてこれをやるのかな」とか、「この人は今後考え方を少しだけ変えるのかな」とか。その最後まで語り切らない余韻がとても心地良く感じました。
どのお話も素晴らしいのですが、表題作の「星がひとつほしいとの祈り Pray for a Star」が秀逸でした。
出張にかこつけ不倫中の主人公がホテルで頼んだマッサージ師は、盲目の老女。
彼女は東京の名家の生まれ。何故松山でマッサージ師をしているのか。
そこには、第二次世界大戦に巻き込まれ時代に翻弄された少女がいました。
「星」とはなにか。それは人それぞれに違う。そんな星を求めて人々は祈る。
そんな美しくも儚い物語でした。
硝子の塔の殺人/知念実希人/実業之日本社
購入本
Xでもよく読了記録を見かけた本作。2025年10月に文庫版が発売されました。
「最高到達点!!」とか「これを超える作が現れることはないだろう」とか、帯に大層なコメントがついていたので、かなり期待して読みました。
読了してみるとその期待を軽々超えてきましたね。すごいものを読みました。
もう仕掛け自体がネタバレになるので、ほぼ内容に触れられないのが悔しいところです。
内容自体はもちろん、著者のミステリー愛を存分に感じることができる作品です。
作中にこれまでの名作ミステリーや巨匠がこれでもかと登場し、ミステリー小説の様々なパターンや定番ネタなんかも至るところで言及されます。
「ミステリー論」と言っても過言でない内容も多くあります。
さて、本作の舞台は山奥に建てられた円錐状の『硝子の塔』。
大富豪である家主:神津島太郎によって建てられたこの硝子の塔は、神津島が発見したバイオ細胞を忠実に再現した形状をしており、各部屋は螺旋状に配置されています。
硝子の塔は表紙に書かれていますし、作中に内部構造や配置図が示された絵がありますのでビジュアルがイメージしやすいですね。
神津島は大のミステリー愛好家とも知られ、その財で集めたミステリーコレクションを塔の最上階で展示しています。
そんな硝子の塔に招待されたのは、医師、刑事、ミステリー小説家、編集者、名探偵、霊能力者といった個性的な面々。あとは執事とメイドと、料理人がいます。
正体客たちは神津島のとある発表のために招待されたのですが、その発表の直前で、神津島は殺されてしまいます。
本作は、主人公である医師:遊馬が殺人犯として特定され、他のメンバーと隔離されているシーンから始まります。
クローズドサークルミステリーものなのにプロローグで犯人が捕まっているのがミステリー初心者の僕には斬新でした。そして、犯人目線の物語であることも斬新でした。
上にも書いた通り犯人は遊馬です。医師という立場を悪用し神津島に毒を飲ませ殺してしまいます。でもそんな遊馬には同情すべき理由があり、殺人犯だけど遊馬を応援してしまいます。
一見、神津島を殺めた犯人の断定が困難、そもそも自殺か他殺かもわからない状況であることに加え、クローズドサークルミステリー小説もののお約束の通り、徐々に被害者が増えていってしまいます。
そんな中、招待されていた名探偵:碧月夜(あおいつきよ)の天才的な推理により、真相がだんだん明らかにされて行きます。
殺人への焦り、追い詰められるまでの動揺、そして自分が理解できない不可解な状況でどのように立ち回るか、と難しい状況に置かれた遊馬。
犯人である遊馬視点での語りだからこそ、何とか整合性があるように辻褄を合わせたり、自分が犯人と疑われないように行動したりといった場合の心理描写も見えますし、証拠となりうるものや事実が見つかった場合や追い詰められそうなシーンの焦りを、読者も臨場感を持って疑似体験することができます。
人を殺めてしまった遊馬はどうなるのか?逃げ切れることができるのか、それとも名探偵が全てを暴くのか。結末はいかに。
…と読んでいると、それをあざ笑うかのようにすべてがひっくり返されました。見事と言う他なし!ただ、何も言えません。まっさらな状態で楽しんでほしいです。
たしかにヒントは作中に全て示されていました。
真相の真相がわかると、「なんだよ・・・・こりゃ・・・・」というセリフに感じた違和感は間違いではなかったんだな、と少し嬉しくなりました。
ミステリー小説好きは絶対に楽しめる本作。ぜひひっくり返される体験をしてみてはいかがでしょうか。
入居条件:隣に住んでる友人と必ず仲良くしてください/寝舟はやせ/KADOKAWA
Kindle Unlimited
少し変わったタイトルですね。本作は寝舟先生のデビュー作とのことです。
ホラーは怖いので普段僕は読みません。
ところが、Xで読了記録をよく見かけた本作がたまたまKindle Unlimitedで読み放題対象だったので読んでみました。
いわゆる「毒親」に育てられた主人公:タカヒロ(本名不詳)は、せっかく稼いだ金も母親に巻き上げられ、生きている意味を見出せず自殺を決意します。
自殺する場所を探して彷徨っていたときに見つけたのは、以下のようなことが書かれた張り紙。
今すぐ人生がどうにかなっていい人募集中!
月給十五万円〜
※住み込み必須
こんな怖い張り紙、普通なら絶対に関わりたくありません。でもまさに人生なんてどうでもいい、と思っていた主人公はこの求人に応じてみることに。
そんな主人公の仕事は、とあるマンションに住み『隣に住んでる友人』と仲良くすること。
ただそれだけですが、過去にもギブアップしたりいなくなったりした人が何人もいるらしいのです。
なぜならこの友人、特徴はちょくちょく描写されるのですが明らかに人ではありません。
(表紙絵にルックスが描かれています)
そんな友人からは、「友達から聞いた」という怪談を毎日のように聞かされます。
この友人と仲良くするためにはいろんなルールや注意点があるのですが、ルールを破ってしまったら何が起こってしまうのか・・・
ちょくちょく友人がタカヒロを試して来るのが怖いですね。
その他にも、室内に現れる別の存在、謎の701号室、恐ろしい五階、絶対に通ってはいけない六階、などなど。
作中で全てが解き明かされないからこそ、想像の余地があって引き込まれますし、より恐怖を感じるのが本作の秀逸なところなのでしょう。
それにしても無理やり順応しようとしているタカヒロがすごすぎる。
僕が住んだら何日耐えられるでしょうか。多分一晩も過ごせない気がします。
友人から聞く話がたくさんあるので、ホラー短編集を読んでいるような気分にもなります。
またホラー小説なんですが、どこかユーモアがありおっかなびっくりしながら読み進めてしまう、不思議な小説でとても面白かったです。
友達に聞いた話なんだけれどね

11月29日にちょうど2巻が発売されたそうなので、興味がある方は読んでみてください!
1巻は今ならKindle Unlimitedで読み放題ですよ!
ニッポン社会のほんとの正体 投資とお金と未来/堀江貴文/徳間書店
Kindle Unlimited
「ホリエモン」こと堀江貴文さんによる投資の本。
堀江さんの本はこれまでも何冊か読んできましたが、著書を読むと、テレビやSNSなどのメディアである意味恣意的に切り取られた姿ではない、本音の堀江さんを見ることができます。しっかりとしたロジックと客観的な根拠を持って、かつ言いにくいことをズバッと端的に主張されていますので、先入観なく読んでみることをおすすめします。
本作では、僕が好きな経済評論家である故:山崎元氏も堀江さんと同じく、ロジックと根拠を提示しながら痛快な主張をされています。
お二人は以下の共著本も出されていますので是非読んでみてください。
さて、この本では、現代の日本社会でどのように行動すべきか。特に投資やお金という点にフォーカスした内容となっています。
「失われた30年」とは、JTCが株主を軽視し、その報いを受けた30年ともいえる。
序盤から上のフレーズに腹落ちします。
JTCに勤務する会社員であり、かつ日本株を運用する株主である僕は、なぜ失われた30年が起こり、長く続いたのかが疑問でした。
でもそれは、JTCが自社の保身と投資家を軽視したがために起こってしまったということがとてもわかりやく説明されていました。
JTCとは、“Japanese Traditional Company(ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー)”の略で、古い体質や昭和的な文化が残る日本の伝統的な企業を指します。
また、世に出ている多くの投資本でまるで決まり事かのように主張されている点についても、堀江さん独自の主張をされていました。
例えば、「PBRは1未満の株が割安だから狙うべき」とこれまでの投資本にはよく書いてあったように思います。しかし堀江さんは、逆にPBR1以上は株式が割高で、投資家から期待されている企業なので買うべき。
とか、
投資信託では「オルカン(オールカントリー)」や「S&P500」を買い続ければ間違いない。という主張が多いのですが、これらは買わず日本株を買え。と主張されています。
なかなか内容にびっくりしました。でもこの本を執筆されていた2024年から現在で、日経平均株価は驚異の50,000円越えとなっています。
もちろんすべて書いてあることが正しいかはわかりませんが、少なくとも2024年に日本株に連動した銘柄を購入しておけば、大きく利益が出ていたことは間違いないでしょう。
また本作の内容は投資に限らず、マイホーム選び、起業(法人化か個人事業主か)、言語能力、検察、Fラン大学、教育…などなど。実に幅広いテーマが扱われています。
誰もが夢見るマイホーム。でも経済合理性を考慮すると、マイホームの購入は取り立てて大きなメリットはない。むしろデメリットばかりであること。
「でもマイホームを持たないと将来高齢者となって住む家に困るのでは?」という疑問に対しては、「高齢化が進む日本では高齢者が賃貸可能な住所がより拡充されるだろう」と見込んでいること。
など、多くの人が常識や正解として思っていることに、切れ味のよい反論をしてくれます。
意識的に文章も短くしているのかページ数は少ないですが、幅広いジャンルについて独自の視点と具体的な例やデータを示しながらまとめられていますので、さくっと読めるのに満足感は高いように感じました!
とにかく休め! 休む罪悪感が吹き飛ぶ神メッセージ88/Testosterone/きずな出版
Kindle Unlimited
Kindle Unlimitedで読む作品を探していると、Testosteroneさんの著作がよく目につきました。最近うまく休めていないこともあり、新幹線の移動中に本作を読んでみることに。
著者も作中に書いてあるように「はじめに」で本作の結論は出ています。
以下をすればもうほぼ満点です。
①7時間睡眠
②定時就寝定時起床
③健康的な食生活を心掛ける
④週2〜4回の運動(お散歩でも効果は抜群!)
じゃあ後は何をすればよいのかというと、とにかく「休む」だけ!
本作では、タイトルの通りとにかく休むための後押しを全力でしてくれます。
休むための88のメッセージがありますが、どれも1~2ページでサクッと読めてしまいます。どのメッセージも難しいことやプレッシャーになるようなことは書いておらず、「頑張りすぎるな!」、「サボれ」、「休め」、「自分はそれでいいんだ」、「他人は気にするな」といったように、休みを取ることに対する罪悪感を吹っ飛ばし、かつ自己肯定感を上げてくれる内容となっています。
「もっと頑張らないといけない」、「サボるなんてけしからん」、「他人が自分の行動を見ている」。なんてことばかりを考え、自分を追い込んでばかりの人が日本にはたくさんいるような気がします。
僕もそういう傾向にあります。
スキマ時間があれば副業や趣味のことを考え、仕事中は以下に効率よく仕事をするか。
と、いつも何かに追いかけられているような気持ちになっていますし、サボっていたら誰かにバレるんじゃないかとびくびくしています。
でもこの本を読むと、「とにかく休む」ことの重要さがとてもストレートな言葉で心に響きます。
休むのが下手な人、読んでみて損はないと思います。
疲れている人に必要なのは最先端の科学を駆使した最強の休息法ではなく、休む勇気。休むマインドセットである。
Kindle Unlimitedなら、月額980円(税込み)で本が読み放題です。
Amazonの読書サブスクサービスです。
月額980円(税込み)で、小説、ビジネス書、漫画等 様々なジャンルの本が読み放題です。
以下ボタンから、Kindle Unlimitedに登録ができます。
初回30日は無料なので、試してみてはいかがでしょうか!
以上、2025年11月の読了本でした!
12月は海外出張もあり移動も多そうなので、たくさんの本が読めそうです!楽しみ
おわり

