2025年1月の読了本紹介【6冊】
この前2025年になったかと思ったら、もう1月も終わりになりましたね。
皆さまは2025年初めの1月、どんな本を読んだでしょうか?
僕は6冊読むことができました。
残念ながら、ブログ記事作成や仕事が忙しく去年の平均:9冊/月には届きませんでしたが、読了した本について読了順に紹介しますね!
2024年の小説ベスト10は以下記事にまとめています。
よろしければあわせて読んでみてください!
ブログ飯 個性を収入に変える生き方/染谷昌利/インプレス
Kindle Unlimited
日本のブログの第一人者と呼ばれることも多い染谷昌利(そめやまさとし)氏による、ブログの作り方、ブログを運営する心構えをまとめた本。
染谷氏は、2000年代半ば~後半のまだ「ブログ」というものが世に浸透する前の段階からブログに注目されています。
ブログで飯を食うために会社を退職し、独立後はブログメディアの運営とともに、コミュニティ(オンラインサロン)運営、書籍の執筆・プロデュース、YouTube活用サポート、企業や地方自治体のIT(集客・PR)アドバイザー、講演活動など、複数の業務に取り組むパラレルワーカーというすごい方です。
引用:染谷昌利公式ブログ プロフィール→https://someyamasatoshi.jp/profile/
作品名である「ブログ飯」は、ブログの収入で飯を食う。という意味が込められています。
これは、漫才コンビの「笑い飯」さんが、「笑いで飯を食う」という思いを込めてコンビ名を付けたことにヒントを得たようです。
本の内容はというと、前半は染谷氏のサラリーマン時代から始まり現在に至るまで、いかにしてブログを始め、運営し、飯を食えるようになったかということが、具体的な経験や当時の心境を交えながら赤裸々に書かれています。
後半は実際のブログのネタの探し方、書き続けるコツ、アクセスを増やす方法や独自性のあるブログにする方法といった実践的な内容になっております。
とはいえ、小手先のテクニックやWeb関係の専門用語が羅列されているというものではありません。
専業ブロガーとして本気でお金を稼ぐということに対する心構え、継続するコツ、ネタの探し方など。
まさしくブログで生きるために何をすればよいかということを、読者に教えてくれます。
2013年発行と10年以上前の本ですので、現在と若干状況が異なっていたり、当時の時事ネタが懐かしく思えたりしますが、今読んでも大変参考になる内容が盛りだくさんです。
なぜなら、ブログに対する心構えは発行から10年以上の年数が経ってもなおブロガーの重要なお手本になるからです。
特に僕の心に刺さった点は、
「ブルーオーシャンなんてどこにもない、レッドオーシャンを渡り切り、自分でブルーオーシャンを創り出すべき」という考え方です。
ブルーオーシャンとは、まだ誰にも汚されていない青い海(競合のいない市場)のことで、レッドオーシャンとは、血みどろ(競争相手ばかりひしめきあっている市場)の赤い海のことです。
最初から競争相手のいないブルーオーシャンなんて存在しない。
特に素人がいきなりそんなブルーオーシャンにたどり着いて独占できるわけがない。
競合の多いレッドオーシャンで戦い抜き、独自の武器でレッドオーシャンを泳ぎ切り、自らブルーオーシャンを創り出すことが重要。しかも、ブルーオーシャンはすぐに他の競争相手が入ってくるので、継続して戦うことができるビジネスモデルを構築していこう。
という考え方です。
「ブログを始めれば簡単に稼ぐことができるんだろう」、「いったん軌道に乗れば将来ずっと楽してお金を稼ぐことができるんだろう」。
そんな駆け出しブロガーの甘い考えが見透かされたような感覚に陥ります。
これからブログを始める人/始めたばかりの人はもちろん、数年間継続している方にもぜひ読んでほしい1冊です。
終盤の「特別コラム:鬼嫁は見た!~没個性サラリーマンの華麗なる転身の秘密~」
も、とても面白かったです。
奥様から客観的に見た作者の様子や、いきなり「ブログで飯を食う」と言って会社を辞める決心をした旦那に対する当時の心境などを、面白おかしくかつ大変わかりやすく書かれています。
ブログは孤独なものに見えるけど、家族や周囲の人の協力や理解もとても大事だなーと思わせてくれます。何より面白い。
ぜひこの特別コラムも読んでみてください!
四つ話のクローバー/水野敬也/ミズノオフィス
Kindle Unlimited
水野敬也先生のお名前を聞き覚えのある方もいると思います。
水野先生は、大ヒット本である「夢をかなえるゾウ(飛鳥新社)」の作者です!
僕も「夢をかなえるゾウ」は0~4巻まですべて読みました。
未読の方はぜひ!
本作品はそんな水野先生による4話の短編集です。
頑張ること、幸せになること、共感すること、大事に生きること。
そんな大切なことをユーモアたっぷりなストーリーで教えてくれます。
本作品は自己啓発本の一面も持つため、内容に触れざるを得ない関係で、若干ネタバレがあります。
展開を知っていても十分楽しめますが、気になる方は飛ばしてください。
主人公は会社勤めに疲れ実家にて休養中の青年:あっちゃん。
あっちゃんが実家の周りをあてもなく歩いていると、実家の会社を引き継いだかつての友人:神谷と偶然出会います。
あっちゃんの様子をから何かを察した神谷は、祖父が作ったという4つの物語をあっちゃんに伝えます。
①深沢会長の秘密
先日までサラリーマンだったが現在は無職の青年:西。
そんな彼が大企業の会長のもとを訪れ、「成功法則」を伝授してもらうことに。
とにかく、「頑張る」ことの大事さを教えてくれるお話です。
成功するには「頑張る」しかない。
頑張るためには、何をしたいかという「願望」と、それを叶えたときの理想の姿を「想像」すること。理想を実現するために、大きな願望で小さな願望を上書きしてあげる。
「痩せて綺麗にかっこよくなりたい」という大きな願望の前には、「甘いものを食べたい」という小さな願望は無視することができる。
長い目で目標を設定し、それを実現した姿を想像し、とにかく頑張る。
深沢会長の正体については読んでみてのお楽しみ。
いろんな誘惑に負けたり、諦めたりするのはまだ頑張りが不足しているから。
とにかく自分の今いる場所で頑張ること。そんな勇気をくれるお話でした。
②ハッピーコロシアム
大晦日に開催される「JHC(ジャパン・ハッピー・クラシック)」では、「日本人はどう生きたら幸せになれるのか?」という問題について、出場者がバトルを繰り広げる。
という一風変わった設定のお話。
決勝戦の出場者は、35歳のセレブ社長:真田雄一郎と、質素倹約な生活をする天海悟。
事業で大成功を収め大金持ちの実業家と、貧相にすら見える一般人、対極の二人のどちらが幸せなのか。
様々な対決で、双方の幸せが数値として可視化されます。
あえて「幸せ指数」という数値で勝敗を付けられてはいますが、
このお話でとても大事なことは、「どちらも自分の幸せがある」ということです。
美味しいものをお腹一杯食べられる幸せもあれば、食べられること自体に感謝できる幸せもある。
現状維持ができる幸せもあれば、波乱万丈な生活を過ごしながらも、欲望を達成するために挑戦し、成長する幸せもある。
人は、他人をどうしても自分と同じ物差しで測り、どちらが上か下か決めたがります。
でも、「幸せ」ってそういうものじゃなくて、誰もが違う「幸せ」を持っているし、考え方でいくらでも幸せになることができる。
僕は、このハッピーコロシアムというお話が4つのお話の中で一番好きです。
③見えない学校
駅のホームで、幽霊となって残された自分の体を見ている主人公:柿崎。
手違いで地縛霊にされてしまい、同じく地縛霊の沢村さんや、地縛霊が卒業するための授業を行っている「天使」へ相談しながら生き返る方法探しに奮闘する、というお話です。
天使が行う「授業」で良い回答をすると単位がもらえ、卒業試験を受けることができる。
卒業試験の問題を知ることができるのは受験者だけで、受験者以外で問題を知ったものは単位がすべて没収される。
なので、もちろん他の地縛霊たちは協力してくれない。
天使の授業では他人への「共感」の大事さを教えてくれる。
幸せになるためには、他人の立場や目線に立ち、「共感」すること。
どんなに憎い、嫌いな相手でも相手の立場になれば共感できることは必ずある。
悩んだり、つらい思いを経験したりしたときに初めて、同じ立場の人の気持ちがわかり共感できるようになる。
他人に共感できる人が増えると、よりよい世の中になり、自分自身を救うことになる。
どうしても自分本位に考えてしまうけど、少しでもいいから相手の立場に立ち「共感」すること。その大事さを教えてくれるお話です。
④氷の親子
氷でできた熊の親子が、展示されていた特設コーナーが閉鎖となったため、溶けずに生き残る方法を探し遊園地内をさまよい歩く、というストーリーです。
これは、旧友:神谷の祖父が死ぬ前に残してくれた最後のお話です。
フィクションと思いながらも、自分の娘をつい重ねてしまい、涙が出そうになりました。
熊の親子は自分たちの氷の体が溶けない方法を求め、遊園地内を歩きまわります。
でも、どれもこれも有効な方法ではなく、体はどんどん溶けていってしまいます。
辛いこともつまらないこともたくさんあるけど、「出会えて本当に良かった」と思えるものに出会い、楽しみながら最後のその時まで全力で生きること。
また、自分の後に生きる人がそういったものに出会える可能性を高めるため、何かできることはないか考え、行動すること。
なぜなら、生きることはとても素晴らしいから。
夢をかなえるゾウと同じように、登場人物や世界感がとにかくユーモラス。
分かりやすい話で楽しみながら、人生に大事なことを教えてくれる。
心のスキマにすっと入り込んでくれるような、そんな本です。
ページも200ページ程度と短め。おススメです!
ゼロからわかるビジネスInstagram 結果につながるSNS時代のマーケティング戦略/朝山高至/SBクリエイティブ
Kindle Unlimited
ブログを見てもらう人を広げるため、僕は今年になってInstagram(インスタグラム)を始めました。
正直Instagramの「イ」の字も知らなかったので、題名につられてこの本を読みました。
本作品はKindle Unlimitedの読み放題対象ですので、「まずは読んでみよう!」と気軽に読めるのが便利ですね。
Kindle Unlimitedについては以下の記事をご参照ください!
前半は基礎知識、後半は実践的な知識という構成で、どちらかというとモノを売りたい企業の担当者や個人クリエイター向けの内容のように感じました。
一方で、Instagramの始め方や基本的な用語、活用方法は学べますので、「Instagramをこれから始めてみたい!」という方は読んでも損はないと思います。
たくさんの画像で分かりやすく説明されているのもGoodポイントですね!
◆前半:Chapter2くらいまで
Instagramってどんなもの?という説明からアカウントの作り方、ストーリーズやリールといった基本用語の解説が主です。
とりあえずInstagramとはどんなものでアカウントを作って触ってみたい。
という方はここまで読めば大体イメージをつかめます。
◆後半:Chapter3~6
ここから、より実践的な内容となります。
どんな顧客をターゲットとし、どうすればフォロワーが増え、魅力的に伝え、Instagramで商品を売る際の売上をUPするにはどんな手法が効果的か。
という点についての解説となります。
正直に言いますと、Instagramをブログへ活用したい僕の求める内容とは少し違いました。一方で、基礎知識の勉強になりますし、Instagramで製品やサービスを販売したい方は、ぜひ読んでみてください!
ホテル・カイザリン/近藤史恵/光文社
図書館より貸出
近藤先生の作品は本作品が2作目です。
最初に読んだ同作者の「スーツケースの半分は(祥伝社)」が好みすぎて、「他にどんな作品を書いているんだろう」と思い借りてみました。
どうやら電子書籍版には「金色の風」が含まれていないらしいです。一番好きな話なのにもったいない。
本作品に関しては、ぜひ現物の本で読んでほしいです!
僕はいつも予備情報なく本を読み始めます。
題名から、本作品はホテルを題材としたストーリーかと思いましたが、実際には本作品は独立した8編からなる短編集(電子書籍版は7編)です。
それぞれの主人公も、学生だったり社長夫人だったり、話によってさまざまです。
後味の悪い話とそうでない話がどちらもあるので、今回はどっちだ?とひやひやしながら読みました・・・
(もしかしたら僕が気づいていないだけで全編が同じ雰囲気なのかもしれませんが…)
僕は素直に感動したりすっきりしたりするストーリーの方が好みですので、本作品の中だと「金色の風」と「迷宮の松露」が好きです。
(残念ながら「金色の風」は電子書籍版にはありません・・)
この2編は、日本でのモヤモヤとした思いや生活からいったん離れ、海外で過ごしてみることにした女性のお話です。
上述の「スーツケースの半分は」でもそうなのですが、近藤先生の書く海外のお話は、単なる観光で知る情報ではなく、実際にそこで生活し、迷ったり困ったりしながらも溶け込んでいく。という感じで、海外のリアルを読者に教えてくれます。
ストーリーを通じて「外国はいいことばかりじゃないよ。でも楽しいよ!」ということを、読者に伝えてくれるような気がして、僕はとても大好きです!
「スーツケースの半分は」にご興味がある方はぜひ読んでみてください!
【毎月8000円を超えよう】Googleアドセンスで稼ぐ方法&審査合格のコツ ゆるブログで稼ぐシリーズ/山本りと/Kindle
Kindle Unlimited
雑記ブロガー:山本りとさんによる、Googleアドセンスに関する本です。
電子書籍版のみですね。
「Googleアドセンス」とは、広告がクリックされたら、その広告を掲載しているメディア(ブログ等)の運営者に広告費用が支払われるという、Googleが提供している広告サービスです。
特にメンテナンスも不要で、ブログに広告を貼っているだけで収入になるので、多くのブロガーがこのGoogleアドセンスを活用したいと考えています。
一方で、審査に合格するのがなかなか難しく、合格することが一つの目標のように思われています。
ブログを始めたばかりの人は、Googleアドセンス合格を目指し躍起になります。
(僕もそうです)
でも、Googleアドセンスに合格してからが本当のスタートです。
最低振込額の8,000円の広告収入を得ないと、せっかく合格しても手元にお金が入りませんし、そこに至らず力尽きてブログをやめてしまうブロガーも多いようです。
本書では、Googleアドセンスに関し、クリック単や率を上げるコツや広告を貼る場所、広告収入のリアルなど、とてもわかりやくかつ現実的な視点でまとめられています。
Googleアドセンスの良いところを上げるだけでなく、アフィリエイトと食いあってしまう点などについても実例を挙げて説明されていたのも印象的でした。
アドセンス合格の方法についてもう少し情報があればよりよかったのですが、自分で試行錯誤するしかないのでしょうね。
Googleアドセンス合格を目指す人や効果的なGoogleアドセンスの使い方を知りたい人のみならず、雑記ブログを運営したい人にとっても有益な情報が多く含まれているのでおススメですよ!
同志少女よ敵を撃て/逢坂冬馬/早川書房
図書館より貸出
第11回アガサ・クリスティー賞受賞作。
普段、戦争系の小説はあまり手に取らないのですが、X(旧Twitter)で読了記録をよく見かけるので読んでみました。
結論、すごい小説を読みました。これがデビュー作というから衝撃です。
この本を書くためにどれほどの勉強と下調べをしたのかと思うと気が遠くなりますね・・・
時は第二次世界大戦真っ最中のソヴィエト連邦。
農村に暮らし、外交官を夢見る聡明な少女:セラフィマは、ドイツ軍によって村を焼かれ、ただ一人生き残ります。
そこへ現れたソ連赤軍の女性兵士:イリーナによりセラフィマは救われるのですが、セラフィマは他の少女たちと共に女性狙撃兵になるための訓練兵となります。
セラフィマは、自身の母親を殺した敵の狙撃兵、そして村人たちを侮辱したイリーナを殺すため、狙撃兵として戦うことを決意し、成長していくという物語です。
この作品が発行されたのは2021年11月。
その数か月後の2022年2月に、ロシアによるウクライナ侵攻が始まります。
第二次世界大戦終了後は永遠に続くと思われたロシアとウクライナの深い友情。
それが瓦解した世界情勢もあって、本作品はより一層注目されたのではと考えます。
狙撃兵となるための訓練兵時代、狙撃兵に必要な知識やスキルに加え、狙撃兵として持つべきマインド等が非常に丁寧に描写されており、とても面白かったです。
狙撃兵は敵を撃つだけでなく、戦況を鷹の目のように見ることがとても重要な役割であることについて具体的なシーンともに描写をされていましたし、歩兵と狙撃兵が相いれない理由についても、とても分かりやすくて腹落ちしました。
また、セラフィマ達が実戦に駆り出されてからはとにかく辛い描写の連続でした。
戦闘で壊されていく街と殺されていく市民、仲間。そこで遊ぶ子供たち。
生き残る度に高まる練度と、戦争が終わった後には必要のないスキル、麻痺する感情。
戦争の悲哀、永遠ではない平和、戦争の中の女性、あり得た別の未来。戦後を生きなければならない兵士たち。
彼はサッカー選手だったかもしれないし、彼女は外交官だったかもしれない。
動機を正当化して戦争を始め、行動をまた正当化する。
誰も彼もが「自分の行いは正しいものだ」と自分で自分を麻痺させる。
最も印象に残ったのは、ネジ職人の話です。
ただ、彼/彼女は人よりネジを作るのが、銃を撃つのが上手だっただけ。
それだけで持ち上げられ、尊敬される。
彼ら/彼女らは、自身と家族の平和しか望んでいないのに、世間が、仲間がそれを許してくれない。だから彼らはその役割を全うしなければならない。
「敵」とは誰か。
戦争の相手国か、親を侮辱した仲間か、女性を虐げる男性か、はたまた戦争を指示している母国の長か。主人公だけでない、女性狙撃兵たちが自身の「敵」を撃つために戦う。
ぜひ一度読んでみてほしいです。
Kindle Unlimitedなら、月額980円(税込み)で本が読み放題です。
Amazonの読書サブスクサービスです。
月額980円(税込み)で、小説、ビジネス書、漫画等 様々なジャンルの本が読み放題です。
以下ボタンから、Kindle Unlimitedに登録ができます。
初回30日は無料なので、試してみてはいかがでしょうか!
以上、2025年1月の読了本でした。
ご興味がある方はぜひ読んでみてくださいね!
おわり